昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2018/12/24

芸能界随一の「天然」がやってしまった痛恨のミス

 芸能界随一の「天然」として知られる松嶋尚美。千代大海を千代大会だと思っていたり、白鵬を博報堂だと思っていたり、ニコラスケイジを刑事だと思っていたり、メグライアンを馬だと思っていたり。ネットを探せば山ほど出てくる天然エピソード。日本社会というのはどこか「天然」を愛でるところがあるじゃないですか。空気を読むのが美徳とされるが故に、その反動なのか空気読まずにスコーンと起死回生の一発を放ってくれる誰かに期待してしまう。打線が完全に沈黙しているときに梶谷が打つホームランのようなアレですね。梶谷、来季は頼みます。それはそうと、芸能界における松嶋尚美はいわば「王様は裸だ!!」と叫ぶ子どもだったのですよ。

 松居一代騒動の時は「こんな、ややこしいからさ。さっさと相手の人(船越英一郎)も謝って、楽にならはったらいいのにと思っちゃう」、坂口杏里のAV出演には「興味があったのかなって。まったく興味がないわけじゃなかったのかなって思う」……それが正しい正しくないはさて置き、なんとなく流れとは違う言葉を発し、一部ではそれが受け入れられてきた人。事実「私よく知らんねんけど〜」という枕をつければ何を言っても許されてきたわけです。南青山の件もご本人的には「だって子どもを守るのが親の務めやんか〜」という気持ちだったのかもしれませんが、如何せん今回に関しては、松嶋尚美が攻めている方もまた「子ども」。しかも松嶋の言葉を借りれば「親に暴行されている」子ども、社会としては何より先に守らなきゃいけない弱い立場に立たされた子どもだったのです。

私よく知らんねんけど〜 ©AFLO

 日本社会の天然礼賛文化が生んだモンスター松嶋尚美。しかし「王様は裸だ!」の一発が許されるのは、あくまで相手が強くて主流なものの場合だけなのです。その潮目を読み間違えれば、天然はただの「無知」で「空気の読めない」人間に成り下がる。「王様は裸だ!」と言ったつもりが実は裸なのは松嶋自身だった……というのはなんとも皮肉な話。「何?? 今さら気づいたん??」と、私の中のオセロの黒い方が勢いづいてきた気がするので今回はこの辺でおひらき。

この記事の写真(3枚)