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「車内が暑い」6位~10位の路線はどこ?

 では、この驚愕の温度に次いで暑かった路線はどこなのか。6~10位。

2018年12月下旬、東京圏郊外へ延びる主な鉄道路線にて(筆者調べ)©鼠入昌史

 25℃オーバーの夏日路線に乗ったあとだと、ずいぶんと涼しく感じる23℃台。部屋の暖房の設定温度は23℃……なんて人も多いだろうから、数字を見るだけでは暑くもなく寒くもなくちょうどいい感じだ。が、よく考えてみてほしい。電車に乗るときの服装は、寒い寒い外気温にあわせた厚着である。そこから考えたら23℃だってやっぱり暑いのだ。

 そんな中、京王の電車の中であるアナウンスが聞こえてきた。「車内の温度調整のために送風しています」だとか。確かに頭上のエアコンから涼しい風が流れてくる。が、そんな冷風もせいぜい筆者の薄い頭髪をなびかせるくらいの効果しかない。そもそも満員電車なのだから肩から下は立錐の余地もないくらいにギッシリビッタリ。脳天だけを冷やしたところで暑く着込んだカラダにとっちゃほとんど意味をなさないのだ。う~ん、冬の東京の電車はどれに乗っても暑いのか……。

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京王線のように送風によって車内温度調整をしている路線も多い

 ちなみに、以前ある鉄道会社を取材した際に「冬場は嘔吐物の処理が増える」なんていう話を聞いたことがある。これは、単に酒席の機会が増えるというだけの理由ではなくて、そこに車内の過剰な暑さが加わった結果なのではないかと思う次第である。

22℃を下回る“涼しい”路線はどこ?

 そうした中で、22℃を下回った涼しい電車が2路線だけみつかった。ひとつは小田急小田原線(急行/新宿~下北沢、21.9℃)。もうひとつは京急本線(快特/品川~京急蒲田、21.6℃)。混雑具合が他の路線と比べてややマシだったという事情もあるが、実際に乗った際の体感をもってしてもほどよい冷気を感じるくらいでまさしくいい塩梅だった。また、JR東日本の公式アプリで車内の温度が公開されている山手線(の新型車両)もおおむね20~22℃と他のJRの路線が軒並み極暑なのに比べればだいぶ快適であった。

JR東日本のアプリで車内温度が公開されている山手線

 というわけで、首都圏各路線の車内温度を計った結果を踏まえ、少しでもサウナ状態を回避するコツ3か条を伝授しよう。

◎停車駅の少ない速達列車ではなく各駅停車タイプに乗るべし
(外気が入る機会が多ければ多いほど、温度は低くなる)

◎最新型車両か少しでも空いている車両を選ぶべし
(新しい車両は車両ごとの温度管理も最先端。混雑度合いは車内温度に直結する)

◎座席の前から少し離れた場所に立つべし
(電車の暖房は座席下のヒーターを使う。座席前に立っていれば暖気がほぼ直撃である)

 まだまだ寒さはこれからが本番。となれば、電車の中で汗をかく日々もとうぶんは続くことになる。この記事が少しでも電車内の暑さしのぎに役立てば幸いである。

写真=鼠入昌史