このタイトルをみて、ピンと来たらあなたはかなりの旅行好きかもしれない。2019年1月7日、新税である「国際観光旅客税」(出国税)が導入されるのだ。この税が導入されると、恒久的に徴収する国税としては、1992年に導入された地価税以来となる。

 出国すると1人1000円 国際観光旅客税(出国税)で得するのは誰だ!(http://bunshun.jp/articles/-/5049)でふれたが、この税は原則として、「日本を出国するすべての人」が徴収対象となる。

出国税は「日本を出国するすべての人」が徴収対象となる ©iStock.com

出国税で観光庁予算が一気に2倍以上に

 近年の動向から推察するに、2019年の訪日外国人と日本人の出国者は合計で5000万人を超えることはまちがいない。1人あたり1000円を徴収すると、観光庁の予算(2017年度で256億円)の倍額近い約500億円が確保できる。観光庁が2018年12月21日に発表した平成31年度予算の概要(http://www.mlit.go.jp/common/001266596.pdf)によれば、31年度の観光庁の予算は約711億円。そのうち、約68%を国際観光旅客税で充当することになる。平成30年度の約294億円から711億円へ、一気に2.4倍も予算が増額されるのは異例といってもいいだろう。

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 税収は外国での日本の観光PRや、観光案内・標識の多言語対応などに充てる方針だという。内訳をみていると、文化資源(文化財等)を活用したインバウンドのための環境整備に100億円ジャストなど、随分大盤振る舞いというか、何に使うのか正直ピンとこないものも目につくが、決まった以上有効に使われることを期待するしかない。ここでは、国際観光旅客税の概要について今一度おさらいをしてみたい。

国際観光旅客税
■金額 出国1回あたり1000円
■対象者 国籍を問わず日本を出国するすべての人
■導入時期と徴税方法 2019年1月7日以降に出国するすべての航空券に付加される。船舶の場合は乗船する港でのチェックイン時に徴収される。

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納税対象から外れるのは、航空機や船舶の乗務員、強制退去者、公用での出国者、24時間以内に日本で乗り継ぎをする旅客、緊急着陸によって日本に入国した者、2歳未満の者など(https://www.nta.go.jp/publication/pamph/kansetsu/kanko/pdf/02.pdf)。ちなみにプライベートジェットで出国する人ももちろん納税対象だ。つまり、ほとんど例外なく、全員徴収されることになる。