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朝日新聞は“プライド高めのおじさん”

 社説の面白さは、お笑いで言ったら大御所の師匠が若手に対していちいち小言を言う場面に似ている。「また師匠がブツブツ言っているよ」と思うようにしたら、社説を楽しめるようになってきた。すると各社のキャラも見えてきた。私は各紙をさらに擬人化してみることにした。

『朝日新聞』は“高級な背広を着たプライド高めのおじさん”

『産経新聞』は“いつも小言を言っている和服のおじさん”

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『毎日新聞』は“書生肌のおじさん”

『日本経済新聞』は“現実主義のビジネス一筋おじさん”

『東京新聞』は“問題意識が高い下町のおじさん”

『読売新聞』はずばり“ナベツネ”

 これは拙著『芸人式新聞の読み方』(2017年)で発表したのだが、そのあと仕事でお会いした各社の記者が嬉しそうに「当たってますね」と喜んでくれた(社によっては小声でした)。

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新聞の「1塁側」と「3塁側」

 そして今あらためて私が提案しているのは、新聞を野球場で喩える「見方」だ。

 安倍政権という野球場では、1塁側(ホーム)にいるのが、読売・産経だ。政権と親和性が高い、もしくは政権を支持している新聞。対して、3塁側(ビジター)が朝日・毎日・東京だ。政権に距離を置いている、もしくは批評的である新聞。

 たとえば森友学園問題をいち早く報じたのは朝日新聞であった。それを受けて毎日新聞や東京新聞が連日報じ、国会で話題になったときに、読売新聞と産経新聞がやっと報じ始めた。どの新聞が1塁側なのか、3塁側なのかを考えながら読むと、立ち位置が分かりやすく面白い。

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 朝日や毎日や東京新聞は政権に目を光らせている。そもそもジャーナリズムとはそういうものだが、読売や産経もきちんと役に立っている。現政権が何を考えているかを知るには便利だからだ。読売には政権情報や首相周辺の言葉がよく載っている。政権の動向や気分を知りたい人にはむしろ必読なのである。これも新聞の有効な使い分けだ。