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「青学大の5連覇だけは絶対に阻止します」

 館澤は「選手個々に調整を任せてもらっている分、やらないといけないという気持ちに全員がなっている」と言う。選手たちは表向きにはクールだが士気は高く、気持ちはたぎっている。バックアップに回った“箱根0区”の選手たちも16名の選手をしっかりとサポートしている。木村大周主務曰く、例年ないほどチームはひとつになっているという。

「青学大の5連覇だけは絶対に阻止します」

 館澤の言葉だが、それが全選手の総意でもある。

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2017年の箱根は5区を走った館澤 ©文藝春秋

「ここまでは100%の準備ができている」

 両角監督もチーム状況について自信を見せている。2017年の出雲駅伝制覇の時は「重いから」と胴上げを拒否した。だが、今シーズンは夏からランニングによるダイエットで17キロも痩せた。箱根に勝てば気持ちよく宙に舞うことができるだろう。

 チームは出雲3位、全日本2位と尻上がりに順位を上げてきた。青学大の優勝は確実のような空気が漂っているが、そういう時にこそ隙がうまれる。大学3大駅伝の最後の箱根駅伝で東海大がアップセットを起こす準備は十分、整っている。

箱根0区を駆ける者たち

佐藤 俊

幻冬舎

2018年12月19日 発売