福島で野球をもっともっと楽しめるように
楢葉の試合は0ー7と巨人有利に運んだ。8回まで桜井俊貴に抑えられ4安打のヤクルト打線に、隣の彼は「そろそろ打とうよ!」とヤクルトも鼓舞し始めた。ゲレーロの本塁打に観客は湧き、カミネロがブルペンで投げるのに心を躍らせる(マウンドは翌日だった)。ヤクルトの「あの」館山昌平や巨人の山口鉄也が投げるのを見られたのも嬉しそうだ。じりじりと焼ける暑さも気にせずに、福島で開催される数少ないプロ野球を、地元の人たちは堪能していた。
ヤクルトはいいところなく負けたが、地方球場の良さを味わえる楽しい一日だった。「お疲れ様でした。ありがとうございました」。名前も知らない隣のファンと、笑顔で挨拶を交わす。一杯やれたらもっと気持ち良かったかなと思うが、そのあと車で慌ただしく帰路に着いた。
楢葉町とヤクルトも縁がある。SOSO.Rならはスタジアムではこの3年間毎オフに野球教室が行われ、山田哲人も訪れている。子供達も選手も楽しそうな様子が今年も写真記事で伝えられた。もっとプロ野球選手を身近に見られる機会が増えればと思う。野球教室でも、試合でも。福島の今の姿は忘れずに。一歩一歩進んでいく楢葉で。福島全体で。東北で。子供も大人も野球をもっともっと楽しめるようにできたらいい。野球が出来ることは、きっと色々ある。
福島ホープスは、福島レッドホープスと名前を変え、岩村明憲監督が球団代表としても、経営会社社長としても頑張っている。また来季の楽天は、一軍投手コーチとして伊藤智仁、二軍監督に三木肇、二軍コーチに野村克則を擁して闘う。育成選手の由規もいる。ヤクルトファンが東北に目を向けることも多くなるだろう。
楽天ファンの妹一家には教わることも多そうだ。野球部マネージャーとなった姪と観戦するのも楽しいだろう。来季はどの球場に行こうか。行ったことのない球場にいくつ行けるだろうか。遠征の計画を立てながら、来季の開幕を待ちかねている。
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