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「結婚相手は長男はダメよ」

 家の物件を見るのが好きなので、お墓についても、もう何年も前にいい物件を買ってあったんです。すぐにお墓をつくるつもりは無かったんですが、ちょうど内田の母親が亡くなって、内田の本家のお墓に入りきらない骨をおさめることになりました。

©文藝春秋

 でも、そこではたと気がついた。自分たち夫婦が死んでも、也哉子がお嫁に行ってしまったら、供養してくれる人がいなくなると。それで「あなたはお墓の永代供養しないといけないんだから、結婚相手は長男はダメよ」と、也哉子にずっと言い含めておいたんです(笑)。「財産はないのに、借金だけはあるというような家だけども、内田という名前を引き受けてくれる人じゃなきゃダメ」と。

 だから、也哉子は本木雅弘さんからプロポーズされたときに、まず最初に「うちは養子じゃなきゃダメだから」と言ったんですって(笑)。彼は次男で、ずいぶん悩まれたと思うけど、引き受けてくださった。一応、筋の通った話ではあるんです。

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 よく間違えられるんですが、本木さんに内田の籍に入っていただいたのは、裕也の何かを引き継いでほしかったからではありません。裕也については、むしろ引き継いでほしくない部分がたくさんありますから。だけど最近、孫が裕也によく似てきてしまって(笑)。破天荒なところと、繊細なところが入り混じって、判断がつきかねる。親が二人して手こずっています。

(「オカンと裕也と娘・也哉子と」2007年5月)