眞子さまの結婚問題に注目が集まる秋篠宮家だが、現在、宮内庁や関係省庁の幹部らが重大な関心をもって見ているのは、秋篠宮さまの誕生日会見での“政治的ご発言”である。ベテラン皇室ジャーナリストが彼らの本音を取材した。
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「自己研鑽に努めながら、過去の天皇のなさりようを心にとどめ、国民を思い、国民のために祈るとともに、両陛下がなさっておられるように、国民に常に寄り添い、人々と共に喜び、あるいは共に悲しみながら、象徴としての務めを果たしてまいりたいと思います」
この2月23日で59歳となられた皇太子さまは、今回の誕生日会見で直近に迫ったご即位への思いを、こう述べられた。宮内庁関係者が語る。
「皇位継承順位第1位のお立場で最後となる記者会見でのご発言は、幼少期から将来の天皇として『帝王学』を学んでこられた皇太子さまならではのものだったと言えるのではないでしょうか。大仰な表現はないものの、間もなく天皇となられるご覚悟が、にじんでいると感じました」
一方、眞子さまのご結婚問題に注目が集まる秋篠宮家だが、宮内庁や関係省庁の幹部らが現在、重大な関心をもって見ているのは、秋篠宮さまの“政治的ご発言”である。
秋篠宮さまは昨年11月の誕生日会見で、皇室行事として行われる宗教色の強い「大嘗祭(だいじょうさい)」について「国費で賄うことが適当かどうか」とした上で「内廷会計で行うべきだ」と踏み込んだ発言をされた。さらに、こうした意見に宮内庁長官が「聞く耳を持たなかった」とも述べられた。天皇・皇族を支える宮内庁のトップに対する不満を、記者会見という公の席で口にすることは異例中の異例である。
ある政府関係者が本音を明かす。
「すでに公費支出について閣議了解を経ていた政府の決定に異を唱えるということは、政治への介入に他ならず、かつて政治的発言をしないことを記者会見の場で『基本』と宮さまご自身が述べておられたことと、矛盾しているのではないでしょうか。
皇室の経費は全て国民の血税です。天皇・皇族の公的な活動費は『宮廷費』と呼ばれる予算で賄われるのに対して、天皇と内廷皇族(皇后や上皇、上皇后、太皇太后、皇太后、皇太子、皇太子妃、それらの未婚の皇子女)の私的な経費は『内廷費』、内廷皇族以外の皇族の私的な経費は『皇族費』で賄われます。
秋篠宮さまが述べられた内廷会計とは内廷費のことを指しています。現在は勤労感謝の日となっている11月23日に行われる新嘗祭などの宮中祭祀は、政教分離の観点から天皇の私的儀式と位置付けられており、内廷費が充当されているわけですが、秋篠宮さまの発言は、こうしたことを踏まえてのものなのです」
こうした皇室の経費の“細分化”は、天照大神をルーツだとしている天皇家と密接不可分な神道儀式が、政教分離の原則と矛盾しないようにするために、戦後に考えられた“ロジック”である。原資はいずれも国民の税金であり、全て広義の「国費」である。
政治的な論点に他ならないのではないか
秋篠宮さまは、一連の発言の中で大嘗祭を「身の丈にあった儀式に」すべきとの見解も示された。
「背景には、天皇陛下がご自身の陵墓を縮小したいとの意向を示し、天皇陵の縮小が決まったことと同じように、国民に負担をかけたくないという考えがおありなのでしょう。ただ、世界最古の王室とも言われ、外国に赴けば事実上の国家元首として国賓待遇を受ける天皇にまつわる諸事を、『国民の負担』を理由に予算面から単純に縮小するというのは、どうなのでしょうか。これは皇室の威厳をどう考えるか、というまさに政治的な論点に他ならないのではないでしょうか」(同前)