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躍進する左腕・中尾輝 居酒屋を営む母が語る息子への思い

文春野球コラム ウィンターリーグ2019

2019/01/24
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母が語る息子への思い

 2018年の中尾輝は中継ぎながら7勝を挙げ、数字は残した。しかし8月にファーム落ちし、再昇格後も思うようにチームの力になれなかった。交流戦のソフトバンクにもリベンジはならず。来季に向けて、胸に期するものはあるだろう。

 オフを忙しく過ごした中尾は、入籍まで済ませて新生活をスタートさせた。年俸は各段にアップしたが、イメージ通り無駄遣いはしないタイプだという。「でもね。手をチラチラ見せるから……。何かと思ったら新しい腕時計で。そういうの大事って言ったの。自分へのご褒美大事、って」。嬉しそうな美恵さんは、ヤクルトに入って良かった、と言う。

 居酒屋「団」は初めて訪れた人にも温かく、2度目に訪れればもう常連並に居心地がいい。「初勝利」と書かれたウィニングボールを見ながら飲めるし、初勝利の録画もいつでも見られる。壁には今まで中尾が着たユニフォームが並べて飾ってある。ファンの持ち寄る中尾グッズは増えるばかりだ。中尾が好きだという裏メニューのテールスープにも、いつか出会ってみたいと思う。

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 名古屋の孝行息子は、みんなの孝行息子になった。昨季出来なかったことや味わった悔しい思いは、これからの伸びしろだ。秋季キャンプでも苦手な走りで必死に食らいついた。やるべきことは分かっている。今年は母へ、そしてチームとファンへ、たくさんのプレゼントを用意してくれるに違いない。

『光輝燦然』

 地元名古屋の応援団が掲げる横断幕のように、マウンドで輝く姿を心待ちにしている。

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