『あまちゃん』が大好きです。
10代の少女・アキ(能年玲奈)の成長物語を軸に、その母・春子(小泉今日子)が過去にケリをつけていく様子も、北三陸の人たちが過酷な状況を背負いながら笑って生きる姿も、アキの親友・ユイ(橋本愛)が前を向いて進もうとする選択も、すべてが強く響きました。半年間、登場人物たちを観続けて、私ももう少し生きてみようと思いました。
朝ドラに革命をおこした『あまちゃん』チームの再結集
NHKの朝ドラに革命を起こしたと言われる『あまちゃん』。2013年のO.A.時、視聴率こそソコソコでしたが、濃過ぎるキャスト陣に「わかる奴だけわかればいい」的な小ネタのオンパレード、1980年代と現代とを行ったり来たりしながら紡がれるストーリーなど、朝ドラ無風世代と言われる10代からアラサーの心をがっちり掴んで関連書籍やCDは大ヒット。ドラマ内で多用された「じぇじぇじぇ」は流行語となり、各地のカラオケボックスでは劇中歌「潮騒のメモリー」を涙ながらに熱唱するおじさんが多発したとかしないとか。
そんな『あまちゃん』最終回から5年と4ヶ月。とうとうそのDNAを受け継ぐドラマが日曜夜8時に帰ってきました。その名も『いだてん~東京オリムピック噺~』。平成と新たな元号とをつなぐ第58作目のNHK大河ドラマです。
脚本はご存知、宮藤官九郎。さらにチーフプロデューサーには訓覇圭、チーフディレクターには井上剛、音楽には大友良英、と誰がどう見ても『あまちゃん』チームの再結集。やだ、どうしよう超楽しみ。
「大河初の主役リレー形式」初回はふたり合わせて2分弱
と、固唾をのんで初回放送を視聴したワケですが、オンエアを観終った正直な感想は「……あれ? コレって嘉納治五郎(役所広司)が主役だったっけ?」でした。
というのも、初回は制作陣が「0号として観て欲しい」と語った通り、「今回の大河ドラマは半世紀に渡って近代日本を描く」「物語は明治と昭和とを行き来しながら進む」「基本的におじさん主体の作品である」と、今後のガイドライン提示と登場人物たちの顔見世的な内容。
放送前に大々的に宣伝された「大河初の主役リレー形式」のW主役、金栗四三(中村勘九郎)と田畑政治(阿部サダヲ)の登場時間はふたり合わせて2分弱程度という、ある意味斬新過ぎる構成だったからです。さすが宮藤官九郎、ぶっ飛んでるわ!