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深夜の帰り道で黒いワンボックスカーが……

 そんな彼らと遭遇した中で一番怖かったのは、20歳くらいの頃、アルバイトで終電間際になってしまった帰り道に起こった出来事でした。

 駅から家までは徒歩で5~6分。街灯があるとは言えあたりは暗く、人通りがほとんどないので早歩きで家を目指していた私の後ろから、ゆっくりと黒いワンボックスカーが近づいてきました。車はそのまま私の横を通り過ぎ、私がいる場所の少し前で停車。「あっ」と思った瞬間、後部座席から体格のいい外国人男性が出てきて、ニヤニヤしながら「お姉さんどこ行くの~」と片言で話しかけながら、フラフラとこちらへ近づいて来ました。この一瞬の間に、過去に女性が拉致され、強姦された挙句に殺されたという悲惨なニュースの数々を思い出し、全身から血の気が引くのが分かりました。

 恐怖のあまり一瞬動けなくなってしまったのですが、続けて後部座席から2人目の外国人の男が降りてこようとしたのを見て「ここで逃げないと本当に死ぬかもしれない」と思い、彼らのいる方とは反対に向かって、力の限り走りました。外国人たちは途中まで追いかけてきましたが、明かりのついたコンビニに向かって走って行く私を見て、あきらめて車に乗り込みその場を去ったようです。彼らから無事逃げ切って店内に入ったとき、私の体は信じられないほど震えていて、手足を思ったように動かせませんでした。

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 今までも、陰部をプラプラ露出しながらゆっくり付いてくるジジイや、デジカメで私の逃げる様子を撮影しながら小走りで追いかけてくる小デブなどには何度か遭遇してきた人生でしたが、生きていてこんなに命の危機を感じたことは、後にも先にもこのときだけだったように思えます。

「そんなに怖いんだったら外を出歩くな」は極論です

 こんな経験をした女性たちが、怖くて深夜に外を歩けなくなるのは当然のことだと思います。運が悪ければ犯されて、最悪の場合殺されるかもしれないのですから。でも、そこで男性が「そんなに怖いんだったら外を出歩くな」というのはあまりにも無理難題であるし、極論だと思うのです。女性だって仕事で遅くなることもあるし、付き合いだってあるし、いつも誰かが迎えにきてくれるわけでもありません。

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「怖いんだったら外を出歩くな」論は、決して論破できているわけではなく、女性から自由や権利を奪うことで問題を解決した気になっている、いわば「臭いものに蓋をしている」状態なだけだと思うんですよね。もちろん、こうした極論を唱えるのは男性のほんの一部だけだということは理解しています。