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終わりなき「深夜に女が1人で外出」論争について思うこと

かくいう私も、何度も夜道で怖い思いをしています

2019/02/12

服装、時間帯、防犯ブザー……女性もできる限りの自己防衛を

 ただし、一方で「安心して外出できないのは女性の権利侵害だ!」と唱える一部の女性たちも、できる限りの自己防衛はすべきだと思うのです。

 夜、女性が一人きりで歩いていると目立ってしまいますし、変な輩に目をつけられるリスクはどうしてもあります。それは女性が一番よく理解しているはずです。もし帰りが遅くなることが予想されるのであれば、肌の露出が少ない格好で極力目立たないようにする、できるだけ公共交通機関で帰れるようにするなど、多少の工夫は必要だと思います。自分が女性として生まれたことを呪ったり、男性を恨んだりしても何も解決はしないし、自分の身の安全を保証できるわけでもありませんから……。

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 現状、性被害を減らすために我々ができることは、現実的に見るとこれ以上ないんじゃないかと思っています。私は危険な目に遭ってから、外に出るのが怖くて仕方がない時期がありました。しかし、それでは生活していけないので、今は「帰りが夜になるときは必ずズボンにスニーカーで外出」「防犯ブザーは常備」「必ず終電までには帰る」「夜はイヤホンや歩きスマホをせずに帰る」ように徹底しています。

「権利の主張」より「最悪の結果を招かない」ために

 窮屈ではない、といえば嘘になります。「女だというだけで、なぜこんなに行動を制限されなくてはならないのか」と悔しい思いをしたり、理不尽な気持ちになることもあります。でも、それ以上に「危険な目に遭いたくない」という気持ちが強いため、まったく苦にはなりません。自分の身を守るためですから。

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 女性にとっては不自由を強いられているように思われるかもしれません。しかし、自分が危ない目に遭わないために、できるだけのことはやっておいてほしいのです。「権利の主張のために対策をしなかった結果、性被害に遭ってしまった」という最悪の結果を招かないでほしいのです。危ない目に遭ってからでは、もう取り返しも付かないですからね。自分の身は自分で守らないと……と常々思うのであります。

 本当なら「誰も被害を受けない世界」があれば理想的なんでしょうけど、我々人類が「欲」を持って生まれてしまった以上、もはやそれはファンタジーの世界でしか実現できないのかもしれません。