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舌がん公表、堀ちえみさん 「口内炎」と「がん」を見分ける10のチェックリスト

専門医が少ない舌がん…病院選びのコツを教えます

2019/03/05

genre : ライフ, 医療

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「チーム医療が欠かせない」理由

 また、ご主人がブログに代筆されていましたが、堀さんは舌の6割を切除しただけでなく、太ももの組織を取り、舌を再建する(つくり直す)手術も受けました。実は、この再建手術には頭頸部がん専門医だけでなく、顕微鏡を使って細かい血管や神経を縫い合わせる技術を持つ形成外科医の協力が欠かせません。

 さらに、舌がんを含む頭頸部がんは術後に抗がん剤治療や放射線治療を受けることが多く、その際には腫瘍内科医(抗がん剤の専門医)や放射線腫瘍医(がん放射線治療の専門医)の協力も不可欠です。

 加えて、術後には飲み込みや話し方のリハビリのために、理学療法士や言語聴覚士、食べやすく栄養のある食事を摂るために管理栄養士など専門職スタッフの力が必要です。口腔内に放射線治療を受けた場合には、唾液が出にくくなって虫歯になりやすくなるので、歯科医や歯科衛生士の役割も重要となります。

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©iStock.com

 このように、頭頸部がんの手術を受けた場合には、様々な専門医や専門職による「チーム医療」が欠かせないのです。近年、どのがんでもチーム医療が求められるようになりましたが、頭頸部がんの治療ではとくに重要だと言えるでしょう。ですから、頭頸部がんと診断されたら、治療実績やチーム医療体制が整っているかを十分に調べてから、病院選びをしていただきたいと思います。

 堀さんは東京都内で手術を受けたそうですが、これから様々な専門医、専門職の方々のサポートを受けながら、治療やリハビリを続けることになるでしょう。いいチームに恵まれ、一日でも早く、カメラの前で元気な姿を見せてくれる時が来ることをお祈りしています。

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