いよいよペナントレースが開幕する。宣言しよう。2019年、我らが中日ドラゴンズは優勝する。優勝するに決まってる。間違いなく優勝する。優勝だァァ!
現実逃避しているわけでも、正気を失ったわけでもない。チームの仕上がりにはたしかな手応えがある。オープン戦、最後の6連戦は3勝1敗2分で乗り切った。特に最後の楽天戦は2対7の劣勢から新キャプテン・高橋周平の3ランなどで一気に追いついた勝ちに等しい引き分けだった。今年の周平は明らかに違う。そばを食べずにうどんを待ち続けた甲斐があったものだ。
投手陣も踏ん張っている。防御率は3.23で、なんと12球団中2位(セでは1位)! 最大の課題と言われているリリーフ陣も安定しており、守護神の鈴木博志と守護神復権を目指す田島慎二が揃って防御率0.00を記録した。与四死球も格段に減っている(12球団で4位の46個)。昨年、打率リーグ2位だった打撃陣と合体させれば、ドラゴンズがもっとも優勝に近い場所にいるチームだと誰だってわかる。文春野球のチームメイト・CBC若狭敬一アナの2度目の滝行以来、ドラゴンズは負けなしというところも見逃してはなるまい。
ガラッと変わった中日ドラゴンズ
評論家の順位予想は限りなく低い。んなこたぁ知っている。もはや毎年の恒例行事だ。元監督の谷繁元信さんは6位予想、山田久志さんも5位予想だった(地元番組『サンデードラゴンズ』では4位)。大本営・中日スポーツは1面で「AI予想」をぶち上げたが、
評論家の予想なんて、あてにならないのは承知の上。そんな中でもドラゴンズを上位に予想している評論家だっている。元エースの川上憲伸さんは堂々の2位予想、レジェンドの岩瀬仁紀さんは3位予想、いぶし銀の仁村徹さんも3位予想だ。仁村さんは与田剛監督による新体制でのプラス作用を根拠として挙げていた。
根尾フィーバーと前年から続いた松坂大輔フィーバーによる観客動員ばかりが話題になったドラゴンズの春季キャンプだが、実際に見た人のほとんどが口にするのが「非常に雰囲気が良くなった」ということだ。筆者も足を運んだが、たしかに選手たちからは非常によく声が出ていた。スポーツ報知の選手名鑑に「何かとソリが合わなかった旧首脳陣が去った今季、宴会部長の復権なくしてチームの浮上はない」と書かれてしまった大野雄大の笑顔をブルペンで何度も見た。キャンプ皆勤、御年93歳のドラゴンズ国宝、杉下茂さんも「今年は選手がハツラツとしている」とお話しされていた。
チームの雰囲気の良さを作り出しているのは、間違いなく与田監督以下、コーチングスタッフの功績だ。与田監督は何よりコミュニケーションを重視している。監督就任直後から「チーム内でコミュニケーションを取ろう」という方針を打ち出し、コーチ陣にも浸透させた。短期間で選手との信頼関係を作り上げるためだ。
投手陣の好調ぶりは、1軍投手コーチの阿波野秀幸、赤堀元之両コーチによる選手との密なコミュニケーションの賜物だろう。自他ともに認める優れたコミュニケーションスキルの持ち主・門倉健2軍投手コーチも「指導法に『これが正しい』という絶対の正解はない。だからこそ与田監督が言うように、コミュニケーションが大事」と語る。与田監督自身も春季キャンプではブルペンに入り、
ドラゴンズの雰囲気が「ガラッと変わった」と評する金村義明さんは与田監督を「有能な“広報マン”」と表現している。与田監督は選手だけでなく、