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著書で発見 ファイターズ・栗山英樹監督は野村チルドレンだった

文春野球コラム ペナントレース2019

2019/04/14
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まるで反発していた親を初めて理解するかのよう

野村監督就任時の初ミーティングで衝撃を受けたという栗山監督 ©文藝春秋

《野村監督と過ごしたのはたった1シーズンでしたが、本当に多くのことを学びました。たとえば監督就任後は、「最初が勝負」ということです。いかにインパクトをもって、選手たちにメッセージを伝えるのか。》

 これは、選手・栗山英樹がその1シーズンの間にリアルタイムで学んだこと、ではないのではないかと思うのです。ファイターズの監督・栗山英樹が2012年からの8年間、折に触れては反芻して、改めて学んでいったこと、なんじゃないでしょうか。

《当時は、「なんで俺を使わないんだよ」という思いしかありませんでした。それくらいの気持ちがなかったらプロではやっていけないので、それはそれで仕方ないことと思います。しかし今であれば、わかることがあります。

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 野村監督はスワローズで指揮をとり始めたその時から、野村克也としての〝勝負〟を本気でかけていたのだと思います。》

 まるで、子供が成長して大人になったあと、反発していた親を初めて理解するかのような。

 スワローズの外野手・栗山英樹は、確かに野村監督の教え子ではなかったでしょう。でも、ファイターズの監督・栗山英樹はどうでしょうか。今年の栗山野球は「ショートスターター」もしくは「オープナー」という投手起用で注目を集めていますが(今のところ3試合ためしてまだ勝ちにはつなげられていませんけれども)、これなんか野村さんがリリーフの分業制を取り入れたことと似ていませんか。外野手はいい監督にはなれないというのが持論の野村さんは、或いは渋い顔をするのかもしれませんが。

《「おまえ、最近ようやってるやないか」、そう野村監督にいつか言っていただけるように頑張ろう、そんな気持ちが今を生きる原動力にもなっています。》

 ねえ、ノムさん。いつか、ほんとに、そう言ってあげて下さいよ。

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