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妻たちにとって「どういう不倫が最も許せないか」論争

Rule4 相手によって罪の重さは変わる 「愛人の品格」――#5

2019/04/05

「最も人を傷つける不倫」なのか、「叱って許せる不倫」なのか?

 数年前にブームのようにマスコミを賑わせた有名人の不倫スキャンダルを報じる記事でも、その様子の深刻さやその後の展開にはそれぞれ大きな温度差があった。もちろんそもそもの夫婦関係によって反応が分かれるのは当然だが、そこには浮気の種類や浮気相手の属性も大きく関係しているように思う。世間の反応や仕事への影響に大きな落差があるのも、そもそもその有名人の実力や好感度の他に、最も人を傷つける形の不倫なのか、家庭を壊す不倫なのか、あるいは叱って許せる不倫なのか、意外にも敏感に嗅ぎとる臭覚を、世間の方も持っていた、とも考えられる。

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 夫婦関係を終わらせるつもりが最初からある場合は全く話が別だが、夫婦関係の存続を望む場合に、それでもある火遊び衝動を恋愛に向けたいのであれば、同じ浮気でもパートナーを傷つける度合いが大きく違うことを自覚するべきだし、自分のパートナーがどんなことに敏感か、何を一番嫌がり苦痛と感じるかを知ろうという意識は絶対に必要だ。各所でこの指摘があまりなされないのは、浮気の一部を肯定し、免罪するように捉えられるからだが、現実では浮気の一部は傷を伴いながらも免罪されているわけだし、逆に最後まで許されない浮気も存在するのだから、これは真理なのだろう。以前、男性向けファッション誌の、お金や満足いく仕事を持つ男性がやり残したことを消化していく、という企画の中で、愛人に溺れるという項目の原稿を書いた時、私が最も強調したのもその点である。

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恋人や旦那の浮気についてのアンケート

 とある企画で女性に向けて、恋人や旦那の浮気について次のようなアンケートをとったことがある。美人と浮気されるのとブスと浮気されるのと、どちらが嫌か。自分と同年代と浮気されるのと、自分より若い女性と浮気されるのと、自分より年上の女性と浮気されるのはどうか。浮気相手が自分と全く正反対のタイプの方が傷つくか、自分と少し似ている方が傷つくか。元恋人、自分の友人、旦那の同性、芸能人など、浮気相手として特別堪え難い相手はいるか。どの質問にも、一定のどちらも同じくらい嫌だという回答はあるものの、どちらか一方を答える数の方が圧倒的に多く、実は多くの質問で両者の数がほとんど同じ、つまり答えが綺麗に二分することが多かった。

 それなりに納得する理由がある。「美人と浮気されたら取られそう」「美人なモデルとかだったら見下されてる気がする」「ブスに手を出したら執着されそう」「ブスのくせにいい思いして腹がたつ」「同い年だと比べられそう」「若い女に乗り換えられそう」「旦那が10以上年上なので、年が近い方が楽しいのかと不安になる」「自分に持っていないものを持っている人だったら悔しい」「自分と似た仕事をしていたらライバル視してしまう」「元恋人と会ってやっぱりこっちがいいと思われるのが一番傷つく」「他の浮気は許すが、自分の知り合いだったら絶対に別れる」。