注目すべき毎日の記述
毎日新聞には注目すべき記述が。
《今年3月、漢籍に詳しいある経済人は首相に懸念を伝えた。「日本古典から引用した場合、安倍さんの名前が元号の歴史に(悪い意味で)残る皮肉な結果になるかもしれない」。「保守」を掲げる政治家なら、伝統を踏襲すべきだとの趣旨だが、返事はなかったという。》
やはり「伝統破壊」を懸念する声があったのだ。しかし、
《安倍政権は日本の伝統や独自性を強調する一方、「戦後初」といったキーワードを掲げることも多い。日本古典が出典となるかが注目されるのは、そういう側面もありそうだ。》
これは元号発表前夜の記事だった。
「新元号の典拠は? 伝統と権威の漢籍か、和書なら話題に」(毎日新聞WEB・3月31日)
果たして、新元号の典拠は日本古典。元号選びに「革命」が起きたのだ。
そういえば平成とは「改革」が叫ばれた時代であった。小沢一郎、小泉純一郎、安倍晋三、小池百合子……。不思議なことにその時々に目立った保守政治家の多くが叫んだ。
そして最後に、もっとも伝統的であるはずの元号の選び方に対して改革どころか革命を起こしたのである。
保守とは何か?
その意味の変遷は平成とは何か? にも通じるはずだ。
◆ ◆ ◆
※追記
毎日新聞(4月4日)
《首相は若い頃から「日本の元号には日本の古典の方がふさわしい」と親しい議員に話しており、その意向は元号選定担当の首相官邸幹部にも伝わっていた。昨年後半、担当幹部が「国書の専門家にも考案をお願いしています」と報告すると、首相が「それはいいね」と応じる場面もあった。》
「意向」とか「それいいね」とか、どこかで見た構図。元号も忖度だった説である。