「『令和』予言男の驚愕」(東スポ4月3日付)

「令和 3年前驚異の予言ツイート」(夕刊フジ4月3日付)

 新元号発表の翌日、東スポと夕刊フジは大々的に報じた。3年前に平成の次の元号が「令和」になると予想していたと思われる書き込みがツイッターで話題! というのだ。

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©JMPA

 東スポ→「たまたま偶然、天からの啓示が降りたとしか言いようがない。」

 夕刊フジ→「普段このユーザーはアニメ画像やゲームに関する投稿が多く、古典に詳しいかどうかは不明。」

 それぞれ最後まで驚いたまま。

 東スポはタイムトラベラー説も紹介したが、私は「SNSでひとしきり話題になったあとオヤジジャーナルに届き、記事になる」という黄金のタイムラグのほうに目を奪われた。

安倍首相の「国書」へのこだわりはいつ頃から?

 さて過去からのタイムトラベラーなら今回の元号の選び方に驚いたのではなかったか。

 私は、『中国の古典からではなく国書が典拠となれば、元号に「革命」が起きると言える。長く続いた選び方に革命が起きるのだ。そんな劇的なことをしちゃってよいのだろうか。』と3月15日の当コラムで書いた。

 新元号に「安」が入るんじゃないかと怒っている人が多かったが、そんなことよりもっと重大であろう伝統の改変に注目すべきだと思ったのだ。そしてふたを開けたらやはりというべきか日本の歴史上で初めてとなる国書を典拠とした元号だった。

 安倍首相の国書へのこだわりはいつ頃からだったのか。各紙の記事を読み比べると面白かったのである(4月2日)。

安倍晋三首相 ©JMPA

 朝日新聞はそもそも「首相は2006~07年の1次政権時代から『元号の典拠は国書の方がいいよね』と周囲に語っていた。」とし、最近では、

《今年2月下旬の財界人との会合で新元号が話題になると、自ら「国書」という言葉を2回繰り返したという。》