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大人がイラッとするのは、そこに自分自身の弱さがあるから

 そう考えると、わが子を思う親がつい子どもを追いつめてしまうのも仕方がないとわかる。要するに、親としての自信がないのだ。当然だ。ほとんどの親が、親として新米のまま親の役割を終えていくのだから。だからといって自分の怒りを正当化してはいけないと、イモニイは言う。

「自分がイラッとしてしまうということは、そこに自分の中にもある弱さを見いだしているはずなんです。だからイラッとしてしまうんです。その子の中にある未熟な部分、弱い部分を認めてあげることは、結局は自分自身の中にも同じくある未熟な部分、弱い部分を認めてあげることになるんです。だから僕は、『子どもたちのことを承認する』なんて言っていますが、実は、子どもたちを通して自分自身を解放させてもらっているんだと思うんです」

 要するに「情けは人のためならず」である。教師自身が解放されないうわべだけの「承認」ではダメだという意味でもある。

「世の中にはきっといろんな子がいて、僕なんかではまだ受け入れられない子もいると思うんだけど、そういう子を見ても、『本当にかわいいな、最高だな』って心から思えるようになりたい。いろいろな子どもと出会いたい」

 まず大人自身が自分の“弱さ”を認めることができれば、子どもの“ダメ”なところにいちいちイライラしなくてすむようになる。逆に言えば、子供の未熟さにイライラしてしまうということは、大人自身が自分の未熟な部分を直視できていないということ。自分の未熟さを棚に上げて子供にだけそれを直させようと考えるのは、少々虫が良すぎるというわけだ。

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おおたとしまさ

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2019年5月14日 発売

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