――新谷 そうそう、映画を観ていて一番笑ったのは、二階堂ふみさん演じる行川野火が、「なんで静さんたちの世代はたとえがいちいち野球なんですか」と言うセリフ。私もいつも現場の記者たちに言っちゃうんで(笑)。

 昨年、映画「SCOOP!」の公開にあわせて企画された大根仁監督と「週刊文春」の新谷編集長の対談(SPA!臨時増刊「SCOOP!」)で、編集長自らこのように言っているもんだから、スクープを飛ばしまくった2016年の週刊文春を野球にたとえ、中吊り見出しで打線を組んでみた。(ベンチ6人を含む計15見出しを紹介!)

©文藝春秋 完売した1月28日号

1右 「ありがとう文春!」だって ゲス&ベッキー“禁断愛”は終わらない(01/28)
 ベッキーがLINEでゲスに送った言葉「ありがとう文春!」「センテンス スプリング」がウケて、週刊文春はみごと完売となる。なお「PPAP」の商標をピコ太郎となんの関係もない人物が取得しようとして炎上中だが、その人物は「センテンススプリング」も現在、出願中である。

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2遊 ジャニーズ内ではドークーと呼ばれていた (09/08)
「キムタクを骨抜きにした工藤静香“猛妻”伝説」と続く。キムタクファミリーといえば、「キムタク母が講演『地底人スピリチュアルセミナー』に潜入した!」(2012年06/14)、この見出しも忘れがたい。それにしてもユニクロ(「ユニクロ潜入一年」12/08)に、“地底人スピリチュアルセミナー”にと、なんにでも潜入する週刊文春である。

©文藝春秋 9月8日号 中央の「週刊文春」ロゴ上にご注目

3中 木嶋佳苗 獄中結婚した一流企業夫と「文春か、新潮か」で離婚しかけた (12/31-01/07)
 木嶋さんは週刊文春派、亭主は週刊新潮派だという。それで離婚しかかるのだから文春ファンの鑑じゃないか。なお未決囚として東京拘置所にいる木嶋さん、週刊新潮の名物「優越感具現化カタログ」で紹介されていた3万円を超える今治のタオルを友人に差し入れてもらったと、週刊新潮(08/11-18)の取材に答えている。

4三 ショーンKの嘘 本名は川上伸一郎 高校同級生は「えっ、顔が違う!」 (03/24)
 週刊文春に偽りの仮面を剥ぎとられた人物といえば、「堕ちた“現代のベートーベン”」佐村河内守もいる。こっちの高校時代の同級生のコメントも秀逸なので紹介したい。「わしはパチンコが好きじゃけ『鬼武者』の台で打ちよるときもあったが、あの曲を佐村河内が作曲したなんて信じとらんかったよ」(神山典士『ペテン師と天才』文藝春秋・140頁) 広島弁が心地いい。

©文藝春秋 3月24日号「それはダメだと思います」も人口に膾炙

5一 「命がけで来てんだろ? お前、顔覚えたぞ!」(02/25)
 身を隠して都内で生活する元少年Aの居場所をつきとめ、直撃した文春記者に放った言葉、「命がけで来てんだろ?」。神戸事件から19年、その間、彼の消息をマスコミ各社が追いつづけるなか、ついにたどりついた記者に対する最高のホメ言葉とも読める。

6左 久留米虐待 金魚30匹を娘に食べさせた鬼母と内縁夫(03/03)
 東海テレビの昼ドラ「真珠夫人」の“たわしコロッケ”や「牡丹と薔薇」の“財布ステーキ”は、浮気する夫への報復に出される悪食の品であるが、この事件は娘へであり、そもそもフィクションでなく、現実の事件である。母親と内縁の夫は監禁致傷罪などの容疑で逮捕されている。

©文藝春秋 2月25日号 取材した記者は震えていた

7二 「甲子園負けろ」滋賀県議 暴言録 「世界中の女を抱いてきた」(04/14)
 この県議、ほかにも女性記者に「どけやアマ!」。ずいぶん前時代的である。同じ性体験自慢でも、マスコミ沙汰をきっかけに出版にまでいたるのが、ひと月前の週刊文春に掲載の「容疑者とは3回して、翌日盗まれた」(03/10)。こちらは和歌山のご老人が自宅に招いた27歳の女性に金品を盗まれた事件。老人は結構な艶福家で、後にその半生が『紀州のドン・ファン 美女4000人に30億円を貢いだ男』(講談社刊)となる。

8補 森喜朗79歳。何がめでたい(12/08)
 ライバル・週刊新潮にも「ケチで愚かで偉そうな『森喜朗』の利権を潰せ」(2015年8/13-20)なる名作がある。腐されてこその森喜朗である。

©文藝春秋 12月8日号 中央を貫く緑のタイトルが森元首相の記事

9投 本名『能年玲奈』を奪った前事務所の“警告書”(07/28)
 7月、能年玲奈は、能年玲奈改め「のん」となる。週刊文春の中吊りに「能年玲奈」の文字が印刷されるのは、今日時点でこれが最後となっている。再びその文字が電車に吊られる日が来ることを願ってやまない。

最後にベンチのメンバーを発表。
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