全国各地で行われている高校野球の地方大会もそろそろクライマックスを迎えようとしています。毎年この時期は仕事先の一番近くの球場に足を運び、仕事ギリギリまで高校野球を堪能するのが日課となっており、日を追うごとに日焼け、いや焦げるが正しい表現かもしれない。真っ黒である。女性タレントとロケの時なんかはカメラマンから「色が合わん……」なんて言葉も聞き慣れた。それでも地方大会にこそドラマが落ちていたりするもんで追っかけて遠くへなんて事もしばしば。

 そして夜になれば楽天イーグルスの試合をチェック、翌朝また高校野球観戦。この繰り返しが不思議な現象を引き起こす。この選手の走り方は島内宏明選手そっくりだ。とかこのピッチャーの馬力のある球は磨けば森原康平投手になれるかも!などその球児の未来にイーグルスの選手を重ねてしまうのだ。という事で今回は僕が実際球場で出会った未来のイーグルス選手たちを紹介したいと思う。

超大型ショートに天才バッター 未来のイーグルス選手たちを紹介

 まずは静岡大会でみた駿河総合の紅林弘太郎選手に……「未来の浅村栄斗選手を見た!」

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 まず身長が186センチと日本人には珍しい超大型ショートであるということ、サイズ感では浅村選手より更に一回り大きく、なんといっても肩の強さ、かるーく見せるスナップスローが矢のような送球でファーストミットを響かせる。まさに大阪桐蔭時代の彼とバッチリハマる部分である。そして高校通算40発の打撃も力感がなくかるーくフェンスを越えていく。この夏、4回戦常葉大橘戦で県内最速とも言われる148キロ右腕市川大晴の低めのストレートをレフト前に同点に追いつくタイムリーを放った。ここぞの場面で必ずやってくれる勝負強さも浅村栄人である。出来て間もない公立校でもちろん甲子園出場経験もないにも関わらず、春には日本代表候補合宿にも参加し、U-18日本代表永田裕治監督からもセンバツ優勝した東邦の石川昂弥選手と三遊間を組ませたいと言わせた男! 秋のドラフト会議が楽しみでならない。

 さぁ続いては天才バッターだ。和歌山大会でみた智弁和歌山の根来塁選手に……「未来の銀次選手を見た!」

 外野手で身体も小さいのでプロ注目選手じゃないかもしれないが、巧みなバットコントロールはまさに銀次選手を見ているよう。智弁和歌山で一年生から試合で使われ、打順も上位から中軸、時には下位まで、何処ででも自分の仕事ができる。左投手の外に逃げていく変化球を左手一本でレフト前は朝飯前、かと思えば引っ張ってもライト線に強い打球も打てる天才バッター。もし大船渡の佐々木朗希投手の球をヒットに出来る選手を呼んでこいと言われれば迷わず彼を推薦したい。まだ根来塁を知らないと言う方はこの夏甲子園出場の際は必ずチェックしてもらいたい逸材である。

巧みなバットコントロールが持ち味の銀次 ©時事通信社