Q スマホ依存症の息子をやめさせるには?
中学受験で私立中学に入ったときにかねてから欲しいといっていたスマホを買い与えました。学校まで電車で40分ほどかかるので、連絡手段としてもっていたほうがいいと思ってのことですが、大失敗でした。友達とツイッター、LINEでずっとやりとりをしており、目を離すと一日中スマホを握っています。
本人は「向こうから来るのに返事をしないと仲間はずれにされる」とか「勉強の検索で使っているだけ」と言っていますが、こういうのを依存症というのでしょう。今の世の中、スマホが必要なことは、専業主婦の私だってわかっていますが、本も読まず、断片的な知識ばかりを覚えていてもこの先、社会に通用するんでしょうか。(45歳・女性)
A これからは「スマホは友達」世代の登場です
こんにちは。コルクの佐渡島@sadycorkです。クリエイターのエージェント会社の代表をしています。
そして、すみません! 僕もどうやれば、スマホをずっといじりつづけるのをやめられるのか、知りたいです。たまに過ごす家族との時間でも、スマホを触ってしまって、6歳、4歳、1歳の息子たちに怒られます。
上の息子は、口頭で「パパ、携帯いじらないで」と注意してくるのですが、三男ははたいてきます。妻とたまーに二人っきりになった時にもスマホを触ってしまって、機嫌を損ねてしまいます。
社内の会議でも、社外の会議でも、3分以上自分が話さなくてもいい時間が続くと、スマホを触ります。今、コルクでは、全社員でツイッターのフォロワーを増やそうという目標を掲げていて、昼の11:30〜12:00はツイッタータイムです。全社員が、すべての仕事を止めて、ツイートすることを優先します。毎月、もっともRTされたツイートをした社員が今月のベストツイートという形で表彰されます。
社員の多くは、毎朝、「さまざまなメリット」という前日、話題になったツイートを紹介するブログを見て、自分の脳をツイッター脳にしているくらいです。それくらいSNSを重視しているので、投稿した後も、どんな反応なのかなぁと何度も見に行ってしまいます。
Threes! というアプリを知っていますか? これは、ただただ操作していて指が気持ちいいゲームです。ゴールもないゲームで、2、3時間を簡単に無駄にできます。僕はこのアプリを少なくとも5回はダウンロードして、5回は削除しました。今は、入っていません。ダラダラとしてしまうアプリは削除してしまうに限ります。
そして、僕がやっているもう一つの工夫は、充電場所です。昔は、寝室で充電していたため、本当に朝起きてから寝るまでずっと触っていました。居間で充電するようになって、家の中で触る時間は随分減りました。
こんな僕でも、一応は社会人をできているので、そこまで心配する必要はないかと思います。それに、この文章を僕は、パソコンで書いていて、そのことにコンプレックスを抱いています。この長さの文章であれば、スマホで移動中に書けるようになりたいのに、まだそこまでスマホを使いこなせていないのです。スマホの音声入力にも苦手意識があることを情けなく思うことすらあります。
スマホは、個人が手元で管理できるスーパーコンピューターです。キャプテン翼がボールは友達と言っていたくらい、スマホは友達という世代が、これから活躍するかもしれません。だから、そこまで心配する必要はないかもしれません。
あと、ネット上にある知識が断片的とは限りません。本であれば、本に書いてある以上のことを深掘りするには、また新たな本を見つける必要があり、相当の好奇心、行動力が必要とされますし、お金もかかります。でもネットの中であれば、検索するだけで、どんどん深掘りできます。
一つのサイトに載っている情報は、断片的ですが、ネット全体でみるとそんなことはありません。知識をどんどん深掘りしていく時の面白さを、親が子供の前で体験してみせる、それが大切だと思います。スマホは、人間が発明したもののなかでも、最高の部類に属します。それによって堕落するか、使いこなすかは、結局は人次第だと、僕は思います。
「○○さんに聞いてみた。」のコーナーでは、みなさまからの質問を募集しています!