1ページ目から読む
2/2ページ目

「きょうは福浦さんのおかげで勝ちました。福浦さん、WE AREをお願いしてもいいですか!」

「最初で最後」の「WE ARE」

 香月の突然の振りに戸惑った大ベテランだが笑顔で拡声器を受け取ると「今日は今岡監督の配慮でボクがヒーローになる事が出来ました。ありがとうございます。そしてたくさんのご声援ありがとうございます。これからも未来のロッテを背負っていく若い選手にご声援宜しくお願いします」と駆け付けたファンに後輩たちへの温かい声援をお願いした。そして本人いわく「最初で最後」の「WE ARE」が行われるとファンは歓喜乱舞。球場は一軍さながらの興奮のるつぼと化した。

拡声器でファンを沸かせた福浦和也 ©梶原紀章

 それだけで終わりではない。その後、行われたヒーローインタビューに呼ばれお立ち台に。最後に伊志嶺翔大外野手が水の一杯に入ったバケツを手に現れるも、かけることは出来ずに自らが頭から被って笑いをとると、一連のセレモニーは盛大に終わりを告げた。

ADVERTISEMENT

「本当はね。若い子たちがあの場で目立って欲しいけど、ボクのために演出してくれてね。ありがたいというしかないよね」 

 43歳ベテランは恥ずかしそうに、しかし嬉しそうに振り返った。この日、一軍も仙台でイーグルス相手に11-2で勝利。そして千葉の二軍戦も7-6で勝利。蒸し暑い夏の夜もマリーンズファンにはとっては清々しい風が吹き続けた最高の1日となった。いつかきっと2019年8月4日はファンの間で語り継がれることになるであろう。そう感じる1日だった。

梶原紀章(千葉ロッテマリーンズ広報)

◆ ◆ ◆

※「文春野球コラム ペナントレース2019」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイト http://bunshun.jp/articles/13119 でHITボタンを押してください。

HIT!

この記事を応援したい方は上のボールをクリック。詳細はこちらから。