1ページ目から読む
2/2ページ目

石山泰稚のインフルエンザは、いつになれば完治するのか?

 しかし、ドラマはまだまだ終わらなかった。翌13日は7対7の同点から、7回裏にバレンティンの勝ち越しタイムリーで8対7のルーズベルトゲーム。一塁走者である青木宣親の激走は見事だった。さらに14日の試合では初回からヤクルト打線が大爆発。1回に7点を奪う猛攻を見せた。山田哲人は四度目のトリプルスリーに近づく第30号を放ち、6回裏にはバレンティンが第25号。さらに、村上は26号2ランを放って、この時点で単独打点王となった。

 投げては「小さなエース」石川雅規が、8回一死までノーヒットノーランという快投で今季6勝目。通算169勝目をマークした。チームは15対2と快勝。今季初となる本拠地3連戦3連勝を目撃することとなった。打つべき人が打ち、投げるべき人が投げ切っての見事な勝利。本当に心地いい瞬間であり、寅さんの言う「あぁ、生まれてきてよかったな」と思えた至福のひとときだった。

「悪夢の16連敗」が象徴するように、今季は辛いことばかりが続くシーズンだ。開幕3戦目にして、坂口智隆がデッドボールで離脱。昨年、ショートのレギュラーポジションを獲得した西浦直亨が故障してから、チームの歯車は狂いっ放しだ。ライアン小川が初勝利を挙げるのに、まさか1カ月もかかるとは思わなかったし、勝負の4年目を迎え、2年続けて「開幕スタメン」を勝ち取った廣岡大志の初ヒットが出るまでに、まさか42打席も要するとは思わなかった。石山泰稚のインフルエンザは一体、いつになれば完治するのだろう? オープン戦で結果を残して、「ローテの一角は任せたぞ!」と期待を抱かせたスアレスはどこに行ってしまったのだろう? 

ADVERTISEMENT

 辛いことをあげればキリがない。まさに、『ヤクルトファンはつらいよ』と嘆きたくもなってくる。それでも、今回のDeNA3連戦のように、「あぁ、生きててよかった」と思える日がやってくるのだ。「あぁ、ヤクルトファンでよかった」と実感できる試合があるのだ。だからこそ、僕らは今日も神宮へ行く。辛いことばかりが多いかもしれないけれど、それでも、僕らはヤクルトファンであり続ける。

◆ ◆ ◆

※「文春野球コラム ペナントレース2019」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイト http://bunshun.jp/articles/13156 でHITボタンを押してください。

HIT!

この記事を応援したい方は上のボールをクリック。詳細はこちらから。