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消えた中国の性都 「東洋のアムステルダム」でヤバいホテルを泊まり歩いた話――2019上半期BEST5

中国の性産業は今……

2019/08/10

genre : ニュース, 国際

(2)やたらゴージャスなホテル「匯華国際飯店」は今……

 同じく常平鎮にあるやたらゴージャスなホテル・匯華国際飯店は、やはり往年はサウナやKTV(連れ出しカラオケ)で有名だったみたいだが、こちらも客が減って閑散としていた。往年は香港人や日本人の買春オジサンたちがずらずらと女性を伴ってくつろいでいたとされるホールも、まったく人っ気がない。

 ホテルに併設されている飲茶屋(おいしい)は賑わっていたが、客の大部分は家族連れで、子どもが無邪気に走り回っている。かつては香港人男性と、アフターで同伴しているKTVのお姉さんの組み合わせだらけだったというが、今は昔の話だ。

バリバリの成金趣味の匯華国際飯店のロビー。人影はない。なお、右奥に見える黄色い看板は日本人向けスナック(営業中)だ。2019年1月安田撮影

 ちなみに匯華国際飯店の1階にある日本人スナック(非エロ)は営業中だ。入ってみたところ、接客についた女の子が広東省南西部の田舎町・茂名の出身の客家(はっか)人だったので、「地元では隣の村同士で戦うよね?」とナンパしてみたら「小さい頃まで戦っていましたが最近は経済が発展しましたから……」とあしらわれてしまった。

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(3)ロココ調で黄金色に輝く「美怡登酒店」

 匯華国際飯店の隣りにある、やはり享楽的な雰囲気のホテル。レセプションのお兄さんがなぜか日本語を話せたので、昔から日本人の宿泊客が多かったのだろうと思われる。1泊はやはり200元弱だ。

美怡登酒店の廊下。日本の高速のインター付近などによくある、非常に大人の雰囲気が漂う感じのホテルっぽい雰囲気であった。2019年1月安田撮影

 こちらのホテルの部屋は、おそらく往年はもっぱら、男性がKTVのお姉さんを連れて泊まる目的で使用されていたのだろう。室内は謎のロココ調で異常に鏡が多く、電気を消すとフレームが黄金色に輝いた。

 浴室の床面積が異常に広いのに浴槽がなく、天井にはなぜか鏡。たぶん、大人用のエアマットなどを敷けるように計算して設計されたのだと思う。

美怡登酒店の部屋 2019年1月安田撮影
同じく美怡登酒店の部屋。無意味に黄金色に輝き、無意味に浴室の天井に鏡がある。中国人は鏡張りだと興奮するのか? 2019年1月安田撮影

 ちなみに美怡登酒店は日本語でアクセスできる海外ホテル予約サイトに登録されており、レセプションではたまたま、出張族と思われるパソコンバッグを持った日本人男性に遭遇した。出張で泊まるにはかなりしんどいホテルだと思うのだが……(なお、浴室がだだっ広くてベッドもキングサイズだが、室内にビジネスデスクなどはない)。