文春オンライン

メディアにいる人ほどメディアのブランド価値を誤解している

ドリルと穴と文春と

2017/02/09
note

独立独歩の気概があってこその文春なんじゃないか

 なので、文春という「ドリル」はより若い人にもリーチするようにオンラインを始めて、文春印の「穴」を体験してもらい、読者層を開拓しているわけです。より若い人に、より多くの人に、そして、より多くネットでお金を使う人に。でも文春は文春で際どいネタを扱うセンテンススプリングであり文春砲であり、要するに劇薬です。万人受けを狙って八方美人を目指すことなどできない。ネタさえあれば自民党を馬鹿にし、隙があれば大企業をコケにし、噂があれば芸能人のネタで世を沸かし、ブツがあれば犯罪さえ正面から暴いていく。

©iStock.com

 そういうドリルを作っているのが文春である以上、むしろオールジャンルで皆から好かれる他社のコンテンツをかっこいいレイアウトで並べて読みやすくする機能一丁でほぼ勝負をかけているプラットフォーム事業を営むNewsPicksやスマートニュースは異なる世界の住人です。あんな上品そうにしている奴らには眉間に「肉」とでも書いてやればいいんだ。そんなネット社会のビジネスに迎合してもしょうがないんじゃないの、むしろアフロのヅラでも被せてネタにするぐらいのほうが、文春らしいと思うのです。プラットフォーム事業者に対する吹っかけ方としては「新谷学編集長の撮り下ろしグラビア掲載させてやるから30万PV回せ。さもなければ文春砲を放って焼け野原にするぞ」というぐらいの独立独歩の気概があってこその文春なんじゃないかと思いました。

 そのように考えておりますので、文春オンライン編集部におかれましてはわたくしの原稿料の値上げを前向きにご検討賜われますと幸いです。

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 今後ともよろしくお願い申し上げます。

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