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SNSでは「怒り」が最も拡散された感情だった
中国の北京航空航天大学の研究グループは、中国のSNS「微博(ウェイボー)」の約7000万件の投稿を解析したところ、「怒り」がもっとも拡散された感情であったことを明らかにしている。
世界各地で日々生み出されるフェイクニュースも、拡散のために感情を揺り動かすよう設計されているが、その中でも怒りは使われている。著名な2016年のピザゲート事件では実在のピザ店が、ヒラリー・クリントンや米民主党関係者による小児性愛の秘密組織の隠れ蓑だというフェイクニュースが拡散され、それを真に受け義憤に駆られた二児の父親が自動小銃と拳銃で同店を襲撃している。
「事件性の再評価」と前向きに捉えられるか……
今後、このような「類似事件はずっと以前から起きていたが、映像に捉えられたことで人々の怒りを喚起する」事件が増えていくと思われる。これまで見過ごされてきた事件の再評価と前向きに捉えることもできるかもしれないが、今の流れを見る限り、それがどこまで当てはまるかは自分には分からない。
ポケットに収まるような端末でいつでもどこでも映像が見られる・撮れる時代は、かつて空想された世界でもあったはずなのだが、やってきた時代の「コレジャナイ」感は想像の範疇になかったものだ。
それにしても、当の容疑者もSNSで自分をいかに大きく見せつけるかに腐心しているのが窺えたが、自分が日本の話題を独占している今、どう思っているのだろうか。コレジャナイと頭を抱えているのだろうか……。