第9回ラグビーW杯日本大会を3週間後に控えた8月29日、日本代表メンバーが発表された。
ジェイミー・ジョセフヘッドコーチが口にする選手の名前をメモし、数えていく。注目していたのが、海外出身選手の数である。
15――。31人の代表選手のうち、約半数をしめる数に驚いた。前回、前々回大会と同じ10名程度に落ち着くだろうと予想していたからだ。
ラグビーファンの多くは、過去最多となった海外出身選手の選出を好意的に受け止めた。だが、ネット上には否定的なコメントも少なくなかった。
〈半分も外国人なのに日本代表って違和感ありすぎ〉
〈勝つためなら全員外人引っ張って来いよ。どうせ勝てないんだから全員日本人でやればいい〉
〈日本国籍無いのに代表になれるスポーツなんか、応援する気も起きん〉
W杯のたびに噴出する批判である。
ここまで露骨ではなくても、海外出身選手の存在に違和感を覚える人も多いに違いない。それは、ラグビーに馴染みがない人が抱く素朴で率直な疑問ともいえる。なんで、日本代表なのに、外国人ばかりなの、と。
ラグビーでは、国籍よりも、選手が所属する協会を重視する。ラグビーの国家代表の条件を改めて見てみよう。次の3つのいずれかに該当すれば、国籍を持たない国の代表としてプレーできる。