第9回ラグビーW杯日本大会を3週間後に控えた8月29日、日本代表メンバーが発表された。

 ジェイミー・ジョセフヘッドコーチが口にする選手の名前をメモし、数えていく。注目していたのが、海外出身選手の数である。

ラグビーW杯日本代表メンバーを発表するジェイミー・ジョセフヘッドコーチ(左) ©時事通信社

 15――。31人の代表選手のうち、約半数をしめる数に驚いた。前回、前々回大会と同じ10名程度に落ち着くだろうと予想していたからだ。

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 ラグビーファンの多くは、過去最多となった海外出身選手の選出を好意的に受け止めた。だが、ネット上には否定的なコメントも少なくなかった。

〈半分も外国人なのに日本代表って違和感ありすぎ〉

〈勝つためなら全員外人引っ張って来いよ。どうせ勝てないんだから全員日本人でやればいい〉

〈日本国籍無いのに代表になれるスポーツなんか、応援する気も起きん〉

 W杯のたびに噴出する批判である。

2017年11月25日、フランス遠征中のラグビー日本代表はフランス代表と対戦し、23対23で引き分けた ©getty

 ここまで露骨ではなくても、海外出身選手の存在に違和感を覚える人も多いに違いない。それは、ラグビーに馴染みがない人が抱く素朴で率直な疑問ともいえる。なんで、日本代表なのに、外国人ばかりなの、と。

 ラグビーでは、国籍よりも、選手が所属する協会を重視する。ラグビーの国家代表の条件を改めて見てみよう。次の3つのいずれかに該当すれば、国籍を持たない国の代表としてプレーできる。