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死と向き合うためにあえて“楽しむ”

 このイベントも、死を楽しむ、死を盛り上げる、というのがテーマですよね。僕もそれはすごく楽しいし、こうしたことで死に向き合うこともできるんだなぁ、と感じています。ということで、これからもigoku fesが続いていけばいいな、そのたびに呼んでもらえたらいいな、と思っている次第です。以上、松原タニシでした。

igoku fesで開かれた「VR看取り体験会」に参加する松原氏 ©文藝春秋

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「たとえば、自分の死に方について家族と話すのはすごく重要なことなのに、普段の生活のなかでそんな機会はなかなかないですよね。だから、こうしたイベントでゲラゲラ笑った帰り道に、今日は面白かったね、でも、本当に死ぬとなったら私はこうしたいかな……と、いつもだったらできないような会話が生まれるきっかけになれば、と思っています」

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 イベント終了後、そのように語ってくれたのは主催者の猪狩僚氏(いわき市地域包括ケア推進課)だ。死や老いと言った重いテーマを、あえてエンターテイメントとして提示するべく、この日は毒蝮三太夫氏のトークショーなども行われ、会場には大きな笑い声が響いた。

午前中には特注の“カップル棺桶“での入棺体験も行われた

 松原氏も、「普段だったら『不謹慎だ!』と怒る人がいるような話でも、このイベントならいわきの人たちが笑って楽しんでくれる。周りの人にどう見られるか、というのを全部取っ払って、死について語れる、死を楽しめる環境がここにはあるんです」と、白装束をまといながら語ってくれた。独特な熱量と興奮に包まれたigoku fesは、今回で3回目。次回はどんな企画で死を楽しませてくれるのだろうか。