渋野の転機となった先輩の言葉とは?
転機となったのは、中学1年生の時、地元の長船カントリークラブの錬成会でラウンドをした時のこと。
「思うようにスコアが伸びずにふてくされていたことがありました。その時、一緒に回っていた先輩の競技者が『そんな態度をしてはいけないよ』と叱ってくれたんです。後から言われるのではなくて、何が悪かったのかを本人が理解できるよう、その場で指摘して頂いたのが良かった。しかも、『叱っておいたからね』と私に連絡して下さって。その夜は家族会議というほどじゃないんですけど、夫と私と日向子の3人で『どうして怒られたか分かる?』と話し合いました。それで本人も納得して、最後はその方に『すみませんでした。ありがとうございました』とお礼を言うことができたんです」(同前)
それまでゴルフと同じく小学2年生で始めたソフトボールとの“二刀流”だった渋野だが、この翌年、中学生の県大会で2連覇したのを機に、ゴルフ一本に絞っていく。進学した名門・作陽高校2年生の時に全国高校選手権で団体優勝。だが、初めて挑戦した2017年のプロテストは失敗に終わっている。その時、娘の姿は母の目にどう映っていたのか。
帰国後もフィーバーが止まらない渋野。「文藝春秋」10月号では、母・伸子さんが、プロテスト失敗で固まった渋野の覚悟、全英制覇から帰国した娘とのやり取り、家族だけが知る幼少期のエピソードなど、“スマイルシンデレラ”の育て方について8ページにわたって語っている。
【文藝春秋 目次】<総力特集>日韓断絶 藤原正彦 佐藤 優/<特別寄稿>村上春樹 「至るところにある妄想」/<特集>がん医療の新常識
2019年10月号
2019年9月10日 発売
定価960円(税込)