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“究極の照れ屋さん”西武・中村剛也から本音を引き出す方法はあるか

文春野球コラム クライマックス・シリーズ2019

2019/10/10

ポストシーズンでも“ニュー中村剛也”に期待

 でも実は、中村選手の中で「あさりど」というのが意外と刺さっているみたいなんです。自虐ネタを言うのも何ですけど、若い選手にすれば、「あさりどって、何?」って感じじゃないですか。「えっ? 『笑っていいとも!』? 数年前に終わった番組だよね。それが何か?」って。

 実際、若手選手がそういう反応をしたとき、中村選手は「この人、いいとも青年隊でタモリさんの後ろで踊っていたから」って説明してくれたんです。若手選手は、「そうなんですか!」って。あの口下手な中村さんが僕の紹介を若手にしてくれるというシーン、嬉しかったなあ。

 僕は記者さんのように野球の正しい聞き方や知識が豊富ではないけど、もしかしたらタレントという肩書きが、中村選手の中では一つのアドバンテージになっているかもしれません。

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 中村選手がちょっとでもリラックスして、「打てて良かったです」以降の話をしてくれて、それを「LIONS CHANNEL」や文春野球で発信できたら、ファンの人は中村剛也のことをそれまで“好き”だったのが“大好き”になるかもしれないじゃないですか。僕の仕事はその役目だと、勝手に思っています。みんなに中村剛也を大好きになってほしいから、そのためなら「あさりど」だって使いますよ!

堀口氏がMCを務める「LIONS CHANNEL」はテレビ埼玉で毎週月曜22時放送。中島監督代行は毎週録画予約でチェック ©︎中島大輔

 今季リーグ連覇を達成したライオンズを攻守両面でリードしてくれたのは森友哉捕手ですが、マイMVPは中村選手です。36歳で打点王、しかも打率.286はキャリアハイですよ。

 クライマックスシリーズでも、中村選手の活躍は止まらないと思っています。なぜなら、“ニュー中村剛也”1 年目だからです。活躍し始めて1年目の選手って、成長が止まらないじゃないですか。

 皆さん、おわかりだと思いますけど、稀代のホームランアーテチストが今年はホームランだけではなく、ケースバッティングをするようになっています。僕はそれが楽しくてしょうがない。中村剛也が右打ちした! しかもゴロで転がしている、一、二塁間に! たまんねえ!!

 あのホームランアーチストが少しケースバッティングをするようになってきたということは、ちょっと自分でタイプを変えてきたわけですよ。しかもシーズン途中まで下位打線を打っていたのが、4番になっても自分のやり方を変えていないじゃないですか。ここがすごい。

 今シーズンは今まで見せなかった中村剛也の魅力が見られたので、ポストシーズンでも“ニュー中村剛也”を出してほしいです。

 それで、「打てて良かったです」と素っ気なく言ってほしいですね。

構成/中島大輔

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