「慰安婦合意」の破棄、「徴用工判決」と日本企業の資産差し押さえ、自衛隊機へのレーダー照射、GSOMIA(日韓軍事情報保護協定)破棄……2017年の発足以来、日本に敵対的な政策を次々に繰り出してきた韓国・文在寅政権。

 そんな文在寅政権のキーマンとみられるのが、文正仁・統一外交安保特別補佐官(68)である。文在寅大統領の外交・安全保障における最大のブレーンとして、同氏は強い影響力を持っているからだ。

文在寅大統領 ©AFLO

「太陽政策」の企画・立案に関与し、南北首脳会談にも同席

 文氏は韓国の名門・延世大学政治外交学科教授を長らく務め(現在は名誉特任教授)、金大中、盧武鉉大統領時代に政権中枢で大きな役割を果たした。

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 とりわけ北朝鮮に宥和的な「太陽政策」の企画・立案に関与し、南北首脳会談にも同席している。

 そんな文氏は文在寅政権の急進的な「親北朝鮮・反米」路線を主導しているとして、韓国内の保守派から厳しく批判されている。

文正仁氏 ©文藝春秋

「長期的に韓米同盟は無くすのが最善」

 実際、文氏は「長期的に韓米同盟は無くすのが最善」「韓国大統領が『撤退せよ』と命じたら、在韓米軍は出て行かなければならない」「韓国が核武装すれば韓米同盟は不要」「中国は韓国と日本の間の重要な仲裁者になることができる」「15年で北朝鮮との経済連合を達成できる」などと発言し、物議を醸してきた。こうした発言について、韓国野党は「金正恩の首席報道官」などと批判している。

 そんな文氏が「文藝春秋」のインタビューに応じ、現在の日韓関係について語った。