艱難辛苦を乗り越え職務経歴書を完成させたのち、私は転職エージェントなるものとの接触を試みました。

 エージェントは、求職者のスキルや適性を見て企業を紹介してくれる、いわば企業と求職者のつなぎ役です。

 求職者のメリットとしては、
(1)受ける企業ごとに志望動機などを書く必要がない(一部例外アリ)
(2)条件を満たしていない求人でも応募できることがある
(3)企業との間に入って面接の日程調整や入社時の条件交渉をしてくれる
(4)自分ではなかなか目を向けない企業も第三者の目でオススメしてくれる
 などがあります(エージェントの回し者ではないです)。

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 エージェントには、あらゆる業界を扱う「総合転職エージェント」と、特定の業界に強みを持つ「特化型転職エージェント」の二種類あります。多くの転職成功者は、2種類、そして合わせて2~4社利用するそうです。

 私は、転職について右も左もわからない状況だったので、エージェントに教えを乞う方が効率的と判断し、特化型転職エージェントのマスメディアン、総合転職エージェントのリクルートエージェント、DODAに登録しました。

マスメディアンで初陣を飾る

 2016年11月某日、マスメディアンとの面談の日がやってきました。初陣です。

 なぜマスメディアンから始めたか。理由は単純で、マスコミ転職の強さをうたっていたからです。ここに至るまで、転職サイトでマスコミ系の求人を探すのにも一苦労し、職務経歴書の見本さえ満足に見つけられませんでした。一度、マスコミ出身者の転職について、知見のある人に詳しく話を聞きたいとの思いがありました。

 面談の相手は、私と同世代の男性でした。

 私は、履歴書と職務経歴書をうやうやしく献上しました。初めて人に見せるので、気恥ずかしさがあります。ざっと目を通した彼は「問題ないと思います」と言ってくれました。転職活動をはじめてから、初めてホッとできた瞬間です。

 私は、書類をまとめる上で、疑問に思っていたことをいくつか聞いてみました。

「入学したときと卒業したときの専攻が違うんですが、書いたほうがいいですか?」

「学部・学科まで書いておけば大丈夫ですよ」

 ふむふむ。私はメモを取りました。聞けば、いろいろと専攻が変わっていると「移り気」に見えてしまうからだそうです。

「入社前にブランクがあるんですが……」

 私は大学卒業後就職先がなく、ブラブラした後に新聞社に入社しました。ちなみに、余談ですが、マスコミにはこういう人間が結構います。大卒後、さすらっているタイプの方、マスコミで一発逆転を目指すのもアリかもしれません。

「それも書かなくていいでしょう」

 ホンマですか!? そう思いましたが、向こうはプロです。とりあえず、「ブランク書かなくてOK」とメモしました。

 その後、私の経歴で応募できる仕事を数社提示してもらい、持ち帰って検討することになりました。

 面談がうまくいったのかはよくわかりませんが、職務経歴書がそれなりのかたちになっていたことと、応募できる企業があることに安心しました。

リクルートエージェントの利用目安は「3か月」

リクルートエージェントのパーソナルページ ©キヨシマ

 次はリクルートエージェントです。同じく11月某日、こちらは電話面談です。60~90分の面談の予定だったのですが、電話を切って時計を見ると、30分も経っていません。

 何かミスったのでしょうか?  考えても理由がてんでわかりません。話が弾まず、数分前のことなのに何を話したのかもまったく覚えていません。

 手元のノートには、ほとんど何も書いてありません。つまり、メモを取るほど特徴的な会話は何もなかったということになります。唯一のメモは「利用の目安は3か月」のみ。

 そう、「利用の目安は3か月」。これを知らなかったことが、大きな後悔のタネとなりました。リクルートエージェントを利用できるのは基本的に3か月なのですが、同時期にマスメディアン、DODAの利用もスタートしてしまったので、いっぺんに大量の案件を受け取ることになってしまったのです。

 期限が決まっていることを知っていれば、リクルートエージェントをまず利用し、いい求人がこなければほかのエージェントに手を広げることもできました。これは大失敗でした。