DODAで、長所を見つけてもらう
最後はDODAです。こちらはマスメディアン同様、直接お会いしてお話しすることになっていました。
しかし、私は大変憂鬱でした。
提出書類をギリギリまで出せなかったからです。面談は午後からなのに、午前中にバタバタとメールで履歴書、職務経歴書を送信しました。宿題をせずに登校した高校生の頃を思い出しつつ、オフィスを訪ねます。
担当者は女性で、私より少し年上でしょうか。シュッとしています。最近すっかり引きこもりだったので、スーツ姿の女性がまぶしく見えます。とりあえず、書類の提出が遅れたことを謝り、面談が始まりました。
まず、長所を聞かれました。長所……。そんなことを聞かれるとは思わず、慌ててしまいます。何でしょう。私に、長所なんてあるのか……。とりあえず、仕事をしているときに褒められたことを一生懸命思い出しました。
「スピード感を持って仕事ができることと、フットワークが軽いことでしょうか」
オイオイ。スピード感があってフットワークが軽いなら、さっさと書類提出しとけよ。思わずセルフ突っ込みをしてしまいます。ですが、これはウソではありません。仕事ならできるんです。
彼女は手元の資料に何か書きこんでいます。
次いで、職務経歴書を見ながら何点か質問を受けました。
「パソコンスキルはどうですか?」
パソコン!? またもや予想外の質問です。
「ワード、エクセル、パワーポイントは使ったことがありますか?」
「ワードとエクセルは簡単な作業だったら。パワポは学生のとき、プレゼンで使ってました」
「では、ワード、エクセル、パワーポイントの基本的な操作は可能と、職務経歴書に書いておかれるといいかと思います」
なるほど。こういうものも書いたほうがいいのか。私はメモしました。
「テープ起こしなどはどうですか?」
「知事会見などに出たときは、照合資料が必要なのでメモ起こしをしていました」
「それもスキルとしてアピールできるので、書いておきましょう」
マジですか。記者であれば、誰もが身に着けているスキルです。第三者の目で見てもらうと、思いもよらぬ点がウリになると気づきます。
「退職から半年以上経っていますが、どんなことをされてきましたか?」
「4か月だけ、語学留学をしていました」
「では、退職後の経緯としてそれも書いておきましょう。『帰国後も自己啓発のため勉強中』などと添えておくとよろしいかと」
なるほど~。ひと昔前であれば「へ~」ボタン連発です。最も有意義な時間でした。
担当者には直接会うべし
このときは職務経歴書のことで頭がいっぱいで、エージェントと直接会うことの重要性を認識していませんでしたが、後々転職活動をしていくと大きく影響してきました。
リクルートエージェントから紹介される案件はことごとく書類落ちで、面接に全然進めなかったのです。対面でエージェントの方と話したほうが、お互いの人となりもわかり、紹介案件のミスマッチを防げたり、エージェントの方のやる気にもつながったりするように感じました。エージェントの方だって人間ですもんね。
キヨシマの転職活動メモ
一、転職エージェント、利用するなら担当者に直接会うべし
※この連載は、新聞記者として5年働いたキヨシマによる、「脱力系」転職活動記です。書かれていることは全て現在進行形のノンフィクションです。