これまでの連載では、まずは関東、次に関西の事故物件を取り上げてきましたが、今回は九州の事故物件を紹介したいと思います。注目したいのは北九州市。本州最西端の山口県下関市とは、関門海峡を挟んでお隣の市になります。

( 全3回の1回目/#2に続く)

大島てる氏 ©文藝春秋

なぜか“特殊な”事故物件が集中している「トライアングル」

 そんな北九州市の事故物件というと、「北九州監禁殺人事件」を思い出す方も多いのではないでしょうか。男が内縁の妻とともに、拷問や虐待によって被害者たちをマインドコントロールし、合計で7人もの命を奪った凄惨な事件。2002年(平成14年)に監禁されていた女性が逃げ出して事件が発覚した際には、非常に大きなニュースになりました。

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 とはいえ、今回紹介したいのは、それとは全く違う物件です。ただ、「北九州監禁殺人事件」の現場からは、車を使えばすぐの場所にある物件で、エリアとしては近いところに位置しています。

※写真はイメージです ©iStock.com

 そこには非常に“特殊な”事故物件が、ほとんど距離を置かずに3つも存在しています。地図上でそれぞれの物件を頂点にして線を引いてみると、綺麗な直角三角形を描くことができます。この「トライアングル」で起きた事件を、1つずつ紹介していきましょう。

高層マンションで発見された4人の女性の遺体

 もっとも新しい事件は、そのうちの1つの頂点である高層マンションで起きました。タワーマンションとまでは言えませんが、それなりの高さがあるビルの一室で、4人の女性の遺体が発見されたのです。