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世帯数が多ければ事件も事故も起きる
法令上の制限があるため、高い建物は通常大通りに面した土地に建っています。すると、東京などでは特にそうですが、ある程度発達した都市に住む日本人は、その多くが大通り沿いに住んでいるということになります。
細い路地が入り組む住宅街に住んでいる人ももちろんいますが、大通り沿いに建つ集合住宅、なかでも高層マンションは入居している世帯数が桁外れに多いからです。
世帯数が多ければ、中には火事を起こす人も、自殺する人も、孤独死する人もいる。家族や住民同士のいざこざから殺人を犯す人もいる。そして高い建物が存在すれば、そこから飛び降りる人もいる――。そう考えると、大通りに沿った一帯に事故物件が何軒も存在することは、特段珍しいことではないのです。
他の殺人事件が平凡に思えてしまうエリア
しかし、「普通ではない死に方」となると、話は別です。今回紹介した集団自殺などはその一例で、4人もの人が同じ部屋で同時に亡くなるというのは、事故物件の中でも“例外”に含まれる事件です。実は、この“トライアングル”のすぐ近くでは、父親が小さな子供をテレビ台の下に閉じ込めて殺害してしまった、という悲しい事件も起きています。しかし、これからお話しする2軒を見ていくと、それすら平凡な殺人事件に思えてしまうのです。
さて、次は三角形の“2点目”のマンションを紹介しましょう。北九州の“トライアングル”を語る上では、ここからが本番と言えるかもしれません。その事件は、「あの部屋に住んでいる女性の姿が見えない」という、とある住人の通報から始まりました。
(#2に続く)