デビュー作は約1万本のベストセラー、大手配信サイトで行われるアワードで最優秀女優賞に複数回ノミネートされるなど、多くのファンに愛され、セクシー女優として第一線で活躍し続けたあべみかこ(31)。
そんな彼女は2022年に現役引退を決意した。当時のセクシービデオ業界を振り返り、いま何を思うのか――。業界から離れたからこそ語れる話を聞く。
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早朝4時までの撮影現場
――13年前にデビューした当時と、2022年の引退間近の業界で違いはありますか?
あべみかこ 13年前は、ハチャメチャなことをやっていたとは思いますね。「こういう流れですよ、こういうシーン撮りますよ」みたいな説明はあるんですけど、事前に台本は送られてこなかったり、深夜にマネージャーから電話がきて、「明日現場できる?」って聞かれたり。
――前日に撮影が決まる?
あべみかこ 「他の女優さんが体調不良で、現場空いたから来て」とか。本当に、当日に何をやるのか知るぐらいの勢いでしたね、当時は。
――今は法整備もあり、事前に撮影内容の詳細が伝えられるようになりましたが、どちらが良いと思われますか?
あべみかこ 今は台本があって、嫌なことは事前に打ち合わせできる。けど、どっちもどっちかな。私が楽しいなって感じるのは、ハチャメチャな感じだったんですよね。撮影が朝の4時ぐらいに終わって、「やっと終わったー!」と思いながら、朝焼けを見ながら帰って、達成感が半端ない、みたいな。
ただ、私の場合、当時から嫌なことは嫌だって言えていたというのもあるかもしれません。もちろん言えない子もいたと思うので、業界に関わる女の子のことを考えると、今の方がいいんじゃないかなとは思います。
――ずいぶんハードな働き方をされていたようですが、現役時代に辛かったことはなかったですか?

