苦しい時に言葉で選手を励まし支える存在に
伊志嶺は9年の現役生活で448試合に出場。236安打、59盗塁を記録した。ルーキーイヤーのデビュー戦(4月14日、楽天戦、マリン)では初打席で右中間を破る三塁打を放ちファンの度肝を抜いた。6月15日の東京ドームでの巨人戦では1点ビハインドの九回二死から起死回生の逆転2ランを放ちチームの勝利に貢献。その一発は今もファンの間で語り継がれている。1年目は塁上を颯爽と駆け抜け32盗塁を記録。新人としては01年の阪神赤星憲広以来10年ぶり。パ・リーグでは97年の小坂誠以来14年ぶりの快挙となった。駆け抜け続けたプロ野球人生。ファンに愛された選手だった。10月に現役を引退することを決めると球団からのオファーで一軍の走塁コーチに就任することになった。一方の川越は11年のシーズンを最後にマリーンズで投手コーチを務め、現在は一軍投手コーチ。今度はコーチとして一緒に仕事をすることになった。
「プロへと導いてくれた人とこんなに縁があって、これからも一緒に仕事が出来るのは本当に嬉しいです。指導者としてはまだなにも分からず日々、勉強です。少しでも選手たちのサポートが出来ればと思います」
コーチに就任した際、そのように抱負を語った。伊志嶺は身をもって、人が放つ一言が相手の人生を支える可能性があることを知っている。だから、指導者として言葉を大事にするつもりだ。苦しい時に言葉で選手を励まし支える存在になりたいと思う。
梶原紀章(千葉ロッテマリーンズ広報)
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