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ろくに本を読まない理系人間に迫る失業の危機

社会に出たての頃、ロニーはソフトウェアのエンジニアだった。広告会社の専門技術者だった夫とともに夫婦カウンセリングに通い、問題が解決したときに大変な感激を受けた。自分自身がセラピストになりたいと決心し、ニューヨーク大学の心理分析大学院の修士課程に入学して心理学を勉強した。

そこで、精神的な苦痛に悩まされている人々は、治療よりも黙って苦痛に耐えることを選ぶ人が多いことを知った。

メンタル関連の疾患と診断されるのは5000万人

アメリカには毎年、メンタル関連の疾患と診断される人が5000万人もいて、これだけ多くの人々が苦しんでいるにもかかわらず、治療を受けているのはわずかその3分の1だというデータに触れたことで、ロニーはこの問題に特化したスタートアップ企業を設立しようと思い立つ。

なぜ、治療に行かない人が多いかというと、医療費がとてつもなく高いこともあるのだが、メンタルの治療を受けることが恥ずかしいという気持ちが障害になっているからだ。

テクノロジーで患者とセラピストをつなぐ

目を付けたのは我々のポケットに入っているスマートフォンだ。テキストメッセージや録音された音声やビデオを通じて、免許を持ったセラピストに好きなだけ相談できる仕組みを作れば、治療を求めているのに行動できない「潜在的な」患者のライフラインになりえるのだ。

そして夫とともにプラットフォームを構築。従来の治療であれば、1時間当たり150ドルを超えても不思議ではないが、トークスペースのカウンセリング費用は1カ月で130ドルもかからない。

テクノロジーを使えばこのように経済的にも精神的にも気軽な治療機会が実現できることを、ロニーはエンジニアとして培ってきた経験から知っていた。そして、メンタルの治療はもっと気軽に落ち着いて受けられるものであるべきだと心理学で学んだロニーだから成しえたビジネスだ。

スコット・ハートリー ベンチャーキャピタリスト
スタンフォード大、コロンビア大を卒業後、グーグルやフェイスブック勤務を経て、70ヶ国以上で講演などを行っている。オバマ元大統領の元イノベーションフェロー。

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