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「『桜を見る会』の招待基準が厳正に守られていれば、招待者も大幅に増えることはなく公金の使い方として問題視されることはなかったでしょう。しかし、『その他各界の代表者等』といった本来の招待基準から大きく逸脱して、政治家の支援者なども招待していたことが分かった。『等』があるからといって、政治家の支援者を含めることは許されません。

 公金を本来の目的以外で使うと、財政法違反にあたります。安倍首相主催の『桜を見る会』には政治家の支援者も招待されていたので、本来の目的外でも公金が使われていたことになり、財政法違反になるでしょう」

2019年の「桜を見る会」の様子。左から鈴木福、ももいろクローバーZ、安倍晋三首相 ©文藝春秋

今後の焦点は「推薦者名簿」か

 来年度の「桜を見る会」は中止されたが、上脇教授によれば、今後、今年度の「推薦者名簿」が焦点になりうると言う。

「菅官房長官は、内閣府が取りまとめた招待者名簿の保管期間は『1年未満』だとし、今年度の分はすでに廃棄したとしています。まだ会計検査院の検査も済んでいないのに、『廃棄した』とはにわかに信じがたいのですが、『招待者名簿』が廃棄されていたとしても、各省庁が推薦した『推薦者名簿』は残っているはずです。実際に、萩生田光一文科相は文科省に推薦者名簿が保存されていることを認めています。

 次は、内閣府以外の各省庁に『推薦者名簿』を出すよう働きかけるべきでしょう。今後、たとえば各省庁の推薦した人数の総計が見えてきたら、今回大問題となった“政治枠”の推薦者数も明らかになるでしょう」

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 中止によって幕引きとなるのか、注目される。