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愛煙家の居場所の無さ故に発生する社会問題もどき

 裏を返せば、私たちの身の回りでも愛煙家の居場所の無さ故に、いろんな社会問題もどきが発生しています。それこそ、ホタル族から始まって、車の中で窓を開けて喫煙するとか、子供の遊んでいる公園にポケット灰皿片手に愛煙家が集まるとかそういう事例です。私も息子が遊んでいる幼稚園隣接の公園で、どこからともなく集まってくる愛煙家の吐き出す煙の近くで遊ぶ園児を見て心が痛むわけですよ。でもね、吸える場所がないから集まってくる皆さんの気持ちも分かる。悲しいほど分かる。

 言われてみると、私もああだったなと。きっと、タバコを吸わない人からすると、まだ喫煙に鷹揚だった時代とはいえところ構わず煙を吐きまくっていたのはきっと迷惑だったに違いない。歩きタバコはもちろん、駅のホームの一角にも灰皿があって、電車の乗り換えで待ち時間に一服なんて当たり前の時代でさえ、タバコを吸わない人はかなりの数おられて、眉をひそめていたのだろうと思うと反省も後悔もするわけですよ。なんせ、金払って健康悪くして、他人に迷惑かけて暮らしていたんですからね。ああ、申し訳ない申し訳ない。

 そんなことを思い返しながら、遠い目でむかしのことが懐かしくなり、喫煙していた時代の写真や日記を見返したり、よく読んでいた小谷野敦さんの本を引っ張り出してみたりしましたが、いまや全く共感できなくなっている自分がいました。なんだこの身勝手な野郎は。って自分じゃないですか。しかも、小谷野敦さんのTwitterみたらブロックされてました。

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 何だろう、この圧倒的な敗北感。もう全面禁煙でいいです。

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