因みに彼女の安否だが、本書では熟女として登場する。無事でよかった!
その後、素材がソフビからシリコンへと進化し、ラブドール時代になると、昨年、みうらさんは「絵梨花」と重婚した。盟友・リリー・フランキーに至っては、ラブドールの彼女「理々香」を同伴して『笑っていいとも!』のテレフォンショッキングに登場し、新宿アルタを凍てつかせている。(前日の電話紹介で、「噂の彼女を連れて来てくださいよ!」とリリーさんにお願いしたのは、実はボクだったりする)
結果的には「エロ・テロ事件」を誘発させた責任を感じなくもないが、かつてはボクだって、みうらさんのおかげで「エロ災難」に遭ったことがある。
あれはボクが30代の頃、みうらじゅん原作『やりにげ』のポルノ系Vシネマの主演に抜擢され、AV女優と次々と濡れ場を演じたときのことだ。
初めてのベッドシーンに挑む際に助監督から“前バリの流儀”を聞かされた。それは、「勃たない自信があるなら“竿”を下向き、そうでないなら上向き」というポール・ポジションのコツであった。
「まさか擬似セックスで勃ちませんよ!」と豪語し下向きに貼ってもらったが……本番はギン勃ち!! テープは剥がれモロ出しとなり即NG。しかもあまりの興奮に前バリに大きなシミを残すという、人生の汚点を残した――。
「童貞を喪失したからって何もアマからプロになれたわけじゃない」
本書にもあった言葉が、今となっては天から啓示のようにボクに響くのだ。
そういえば以前、高田文夫先生がラジオでこんなことを喋っていた。
「この間、みうらじゅんが、四谷で乳母車を押してるところ見かけたんだよ! 長髪でサングラスの怪しい初老の男だろ。あれ、誰が見ても変態の誘拐犯だよ!」
この話を聞いた時、ボクは大笑いしながら、改めて、みうらさんにもまともな家庭生活があることを思い知った。
なにしろ「人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた」という事実を毎週、書いている人だけに、むしろ残りの3分の1のエロ以外の部分の方が、他人からは異常に見えるのだから不思議なものだ。
はたして、みうらさんでも、包み隠した秘部(プライベート)を知られると羞恥心に駆られてしまうのだろうか?
いや何も怖くないはずだ。
あのお経さえ唱えていれば――。
思い出してごらん、思い出してごらん、ジョン・レノンすら包茎だったことを。
古来エロと笑いは隣に同衾している。
本書は老いも若きも枕頭に置くべき、いやチン頭に置くべきエロ経典である。