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 そして建て替えはせず、そのまま賃貸マンションとして使用される……などとなった場合に、やはり「どこが事故物件なのか」という情報を必要とする人は多いのではないでしょうか。そう考えると、一般の人たちにとって今すぐに役立つ情報ではないかもしれませんが、議員宿舎や企業の寮(最近ではマンションを一括で借り上げて、会社の寮とするところも多くなってきました)で起きた死亡事件も、記録を残しておくことが必要ではないかと思います。

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なぜ「2710号室」だけで悲劇が起こるのか?

 話をタワーマンションに戻しましょう。現職の政治家が自殺してから2年ほどが経った頃、同じエリアに建つ近くのタワーマンションにおいて、今度は殺人事件が発生しました。40代の息子が70代の父親を刃物で刺して殺害したのです。この2つの事件を繋ぐ共通点は何か。それは、「部屋番号」です。現職の政治家が自殺した部屋も、息子が父親を殺した部屋も、同じ2710号室だったのです。

 日本で一番多い部屋番号は、間違いなく「101」でしょう。そのため、同じエリア内にある別々の「101」号室が、間を置かずに事故物件となっても、そこまで不思議ではないかもしれません。しかし、非常に戸数が多いタワーマンションにおいて、ピンポイントに「2710」号室が事故物件になる確率はかなり低いはず。しかも、それぞれのタワマンの中で、事故物件となっているのはこの2軒のみ。つまり、なぜか2710号室だけが、不幸な事件に見舞われているのです。

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 私は冒頭で、「“3度の一致”が起きてしまったタワーマンション」と紹介しました。政治家の自殺と父親の刺殺で2件。ではもう1件は何か。――実は、父親を殺した息子は、事件直後に2710号室のバルコニーから飛び降り、自殺していたのです。これで死亡者は3人になります……。