「週刊文春ミステリーベスト10 2017」を筆頭に、年末ミステリーランキング3冠達成&本格ミステリ大賞受賞の栄誉に輝いた『屍人荘の殺人』(今村昌弘)が実写映画化され、12月13日(金)より公開される。
隔絶された屋敷内で発生した密室殺人事件に巻き込まれる主人公・葉村譲を演じるのは、神木隆之介。大学のミステリー愛好会の先輩・明智恭介(中村倫也)と謎の美人女子大生探偵・剣崎比留子(浜辺美波)、二人のホームズから「ワトソン役」を熱望される葉村くん——という原作にも描かれていた三角関係を、映画版ではよりチャーミングにクローズアップ。本格ミステリーのシリアスさは保持しつつ、コメディとしても楽しめる。26歳になった神木隆之介の恋愛・結婚観も探ります。
「ミステリーってこんなに面白いんだ」
――「ネタバレ厳禁 超展開の連続 」(映画の予告編より)ゆえに詳しいストーリーは語れないんですが、原作を読んでいない人は間違いなく、度肝を抜かれますよね。
神木 そうですね。出演のお話をいただいてから本を読んだのですが、「ミステリーってこんなに面白いんだ、こんなこともできるんだ!」って。先が気になりすぎて、3時間半ぐらいで一気に読みました。あんまり言うとネタバレになっちゃうんですけど……「二者択一」の場面とか、もう~!! 活字だけでこんなにドキドキできるんだ、じゃあ映画はどうなんだろうどうするんだろうって。原作が好きだからこそのプレッシャーがありました。
――原作と映画は結構、雰囲気は変わっているという印象ですか?
神木 だいぶ変わっていると思います(笑)。試写会は(原作者の)今村先生の隣だったのですが、観終わった後でまず、いの一番に謝りました。でも、先生はすごく楽しかったと言ってくださっていて。「僕の作品はちょっと暗いので、変えてくれて嬉しかったです。普段あまりミステリーを読まない人にも見て欲しいですね」と。
原作を読んでいる方はびっくりすると思うんですけど、内容的には原作の要素はちゃんと詰め込まれていますし、2時間という上映時間の中でできるだけいろんな感情が楽しめるように作られている。ちょっとおどろおどろしい題名ではあるんですけど、ポスターのカラフルなイメージの通りに仕上がっているので、気軽に観に来てほしいですね。