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安倍首相の「半分ステルス」な遊説日程も話題に

 その一方で首相の遊説日程に関しても話題に。

「首相の演説日程 党本部だんまり」(朝日新聞7月8日)

 各党のホームページには党首らの遊説日程が並ぶが「自民党総裁のものは見当たらない」「地元ではすでに告知されている遊説日程でさえ、党本部がだんまりを決め込む事態が続いている」という。

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《ある党関係者は「(官邸側は)反対派が安倍首相の演説場所に来ることを相当警戒しているようだ」と明かす。2017年の東京都議選で、安倍首相が秋葉原で「辞めろ」コールを浴びた経緯があるからだ。》(朝日・同)

2017年の東京都議選、秋葉原で「辞めろ」コールを浴びた経緯が

 つまりヤジを警戒しているらしい。

 このような首相の遊説戦略はスポーツ紙などで「ステルス遊説」と呼ばれている。突然、目的の地に現れるからだろう。

 ただ、各紙を読むと地元の議員らが事前に日程をアピールしていたり、一部の日程は、選挙広告で新聞に掲載されていたりする場合もあるらしい。報道各社に発表された日程に一部の予定が含まれないものもあるという。

 日刊スポーツはこれらを「半分ステルス」と表現していた。なんだ半分ステルスって。そんなステルス大丈夫?

トランプ大統領と安倍首相 ©JMPA

 これはもしかしてトランプに言われてステルス戦闘機F35を爆買いしたはいいが、その性能は当てにならないというメッセージが遊説日程に込められているのだろうか。

 ……考え過ぎた。

「分断」、ここに極まれり

 それにしても安倍首相の一連の遊説記事をまとめてみると、

「できるだけ支持者だけが集まった場所づくりを整え」、実際に演説が始まると「党名の言い間違いなど、野党を嘲笑する」内容も含まれる。そして常に反対者のヤジを警戒する。

「分断」、ここに極まれり。

 朝日の記事には、駒沢大学の逢坂巌准教授(政治コミュニケーション論)のコメントが載っていた。

《「自民党が情報を積極的に公開しないのは時代に逆行している」。一方で、街頭演説でのヤジがここ数年でエスカレートしているとも指摘する。「訴えに耳を傾けるという寛容さが、社会から失われている。演説の場について考える必要がある」と話す。》

 まさに分断をどうするかだろう。

 朝日は「嘲笑する政治」が6年半続いたと書いたが、その結果、首相の遊説場所で「嘲笑とヤジの二極化」の現象が生まれてしまったのである。