Q 無神経な同僚とペアになってしまいました。どうしましょう。
気の合わない同僚とペアで仕事をしています。彼女の無神経なところがどうしても気になります。今はもう、彼女の立てる大きな物音すら不快に感じている状況です。子供っぽいとはわかっていますが、疲れ切ってしまいました。異動は出来ないので、思い切って転職を考えたほうが良いのでしょうか。(40代・女性)
A 自分の好きなものしか周りにないというのは、ものすごく物足りないものです
働く時間・場所、そして仲間を選べないというのは会社員の宿命とも言える辛いところですよね。ペアになった人と気が合わないと仕事自体が嫌になります。私は会社員経験は新聞記者時代の5年半とそれほど長くはありませんが、記者クラブにいた頃は隣の席の先輩がすごく嫌味な人だったり、チームのキャップがあまりに上昇志向が強い人だったりして悩みの種でした。仕事自体が嫌いなわけではないのに、士気があがらないし気が重い、そういう気分で会社に行っていた時期もあります。
今、私はフリーランスで仕事をしていますから、働く時間・場所・一緒に仕事をする人というのをある程度自由に選べます。会社員を全うされている方々から見ればいいご身分かと思います。確かに、気に入らない人や気が合わない人とは関わらないで済むわけですからそういった意味では超気楽です。ただ、無い物ねだりと言ってしまえばそうなのですが、自分の好きなものしか周りにないというのは、ものすごく物足りないものです。そもそも物書きというのは一人で過ごす時間も多いですし、携帯にかかってくる電話は信頼できる仕事相手や友達ばかり、食事をするのは気の合う仕事仲間の中でもさらに気の合う人だけ。これは明らかに自分の世界を狭めます。
よく「こんな形でなければ絶対友達にはならなかった」「学生時代に会ってたら交わることがなかった」という言い回しがありますよね。会社員というのは、そう言った人と深く付き合う絶好のポジションです。プライベートでは絶対に仲良くならない価値観の人とペアになるし、学生時代だったら絶対に友達にならなかったタイプの人と毎日話す。これはとてもラッキーなことです。自分自身では広げられない世界を会社が広げてくれるわけですから。
私は「敵と寝る」戦法をためしてみました
ただ、そのままではおそらく相談者の方のストレスは溜まるばかりですよね。異動もできないとのことですし、それはやっぱりとても辛いはずです。私のオススメの打開策は必要以上に仲良くなること、題して「敵と寝る」戦法です。
記者クラブでどうしても嫌いな先輩がいた時、私は彼女となるべく関わらないようにすればするほどストレスが溜まるのを感じました。なので、彼女を「●●さんは今着ているような服もいいけど、違うジャンルも超似合うものたくさんありますよ!!」と強引に口説いて、私の庭であるSHIBUYA109に連れて行きました。さらに西武の地下にあるお寿司屋さんでまるで超仲の良い女友達同士のようにご飯を食べて恋の相談にも乗ってもらいました。メールで化粧品情報を送ったり、エステに誘ったりもしました。
そうすることで、自分の心と身体が、自分のしている行為に騙されて、なんとなく彼女が仲のいい人のように思えるようになります。さらに、彼女を自分の世界にやや取り込むことでちょっとした優越感も得られます。さらに仲良くなれば相手の気に入らないところに対してある程度ズケズケ文句が言えるようになるかもしれません。嫌なものを避けるとその瞬間のストレスが軽くなるような気がしますが、仕事のペアであればどっちにしろ完全に避けることはできないので、どうせならガツガツと付き合ってみたほうが、実は嫌な気分が減る気がします。
それでもどうしてもダメだったら、お給料は苦痛の対価、彼女と付き合うことに対して時給が出ている、と割り切って、ペアから解放されるまで耐え忍んでください。耐えている間でも、何か人間に対して新しい見方を発見できるかもしれません。
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