「すべての基本は物の置き場を決めること」より続く 

 部屋がごちゃっとしているなあ…という時に、「紙モノ」の状態はどうでしょう。郵便物はついつい溜めがちで、散らかりの原因になりそうです。といって、大切なお知らせが混ざっていたり、個人情報も気になるし、「とりあえず」リビングまで持ち込み選別は後回し、なんてことはないですか? 岸本葉子さんは「郵便受けの紙モノ」問題をちょっとした工夫で乗り切っています。『もっとスッキリ暮らしたい ためない心の整理術』より紹介します。

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玄関で「出入り」を管理 

 部屋がどうも片づかない。原因のひとつに郵便物がありそう。

めざすはスッキリ美しい部屋。©iStock.com

 ひとり暮らしの私にも、日によっては郵便受けからはみ出そうなくらい届く。通販のカタログ、ダイレクトメール、公共料金の請求書や領収書。近所の工事のお知らせや、ポスティングされてくるチラシの類も。腕に抱えてドアを開け、テーブルなりソファなりに下ろし、ほっとひと息。

 そうなるとなかなか開封する気が起きない。だいじなものも混じっているかもしれず、見ないで捨てるわけにはいかないし。後回しにするうち、次に来た分が上に積まれて、手をつけるのがいよいよおっくうに。

 悪循環を断ち切る方法を考えました。玄関の下駄箱の上に、太い黒のペンとハサミを、箱に入れて置いておく。

 郵便物を取ってきたら、下駄箱の上に下ろす。その場に立ったまま、宛名のあるものとないものとにまず仕分け。宛名のないのは主にチラシですが、工事のお知らせなど必要な情報の載っているものは、抜き出して脇へ。

 次に宛名のあるものの住所と氏名を黒ペンで塗り潰す。あきらかに用のなさそうなのは、さきほどのチラシの上に重ねる。

 迷うものはハサミで開封して中を確認、用がなければやはりチラシ類の束へ。

 それらはリビングの入り口近くに据えてある、古紙のかごへ放り込む。氏名などの個人情報を消してあるので、チラシといっしょくたにできる。

 残った用のあるものだけを、テーブルなりソファなりのところまで持ち込む。名付けて水際作戦。郵便物が無制限に部屋に入ってこないよう、玄関でくい止めるのです。

 要不要の選別に加えて、宛名の部分の透明ポリエチレンをハサミで切り取るなど、ごみの分別もすませられる。立ったままそこまでするのは面倒だけど、後でするのはもっと面倒と、経験上身にしみました。

 整理整頓の要(かなめ)が、玄関なのです。

 出すべき郵便物にとっても、玄関はだいじ。下駄箱の上に置いておく。出かけるとき嫌でも目につくように。あらかじめ鞄に入れておく方法もあるけれど、投函を忘れて一日持ち歩いてしまうことが、しょっちゅうあって。それよりは出がけに、自分へ注意喚起しようと。

 払込の用紙も同様。何かにまぎれて期限を過ぎてしまうと、信用に関わるし。

 自己管理の一端も、玄関は担っています。

きれいなリビングを保つには玄関が要です。©iStock.com

* 玄関にハサミと太い黒ペンを常備
* 郵便物をその場で選別、ごみも分別
* 出すべき郵便物も玄関に