宴会芸はコミュニケーション
「飲み会の幹事や宴会芸も全力でやった方がいい」というと、どこか古き良き日本の熱血サラリーマンの姿を彷彿させ、時代遅れのように感じられるかもしれません。
しかし、ふり返ってみると、私がMBA留学中や国際会議、あるいは外資系勤務時代、日本であっても海外であっても、イベントの手伝いを積極的にやったり、宴席を盛り上げようと汗をかく人間は、周囲の好感とリスペクトを得て、多くの仲間に囲まれていたような気がします。
今風のキャッチーな見出しにするなら「世界のエリートは宴会芸に手を抜かない」といったところでしょうか。国や時代にかかわらず、「おもてなしの心」は大切なことなのです。
それではイベントなどで行うパフォーマンスの類(いわゆる「宴会芸」)を積極的にやることが「得」と考える理由はなんでしょうか。
それは、仕事だけでは伝わらない、自分の多面的な顔を、多くの人に知ってもらえる貴重な機会だから。そして、ひたむきに取り組む姿を通じて、チームやコミュニティに貢献したいという思いが通じるからではないでしょうか。
数年前、ライフネット生命の大株主が来日された際のこと。会食は外国の方が喜んでくれそうなお店にご案内し、二次会はカラオケへ。外国のカラオケはややもするとバラードを長々と唄い続ける「自分のためのカラオケ」になりがちなのですが、ここはKARAOKEが生まれた地、「カラオケは場を盛り上げるツール」という趣旨を教えてあげました。
私はX JAPANの「WEEK END」を熱唱し、同僚たち(男性)はモーニング娘。の名曲を踊り付きで披露。彼らは本場カラオケの奥の深さに感嘆していたようでした。あれから、先方の担当チームとは深い絆で繋がっているように思えます。
このように書きながら、宴席でのパフォーマンスも、一種のコミュニケーションだということに気がつきました。
好き嫌いも得手不得手もあるでしょうから無理をする必要はありません。ただ、一緒に仕事をしていく人たちと距離を縮める一つの機会をどのように活かすべきか、考える新年度としてもいいかもしれないと思い、私の考えを紹介させて頂きました。