いまから70年前のきょう、1947(昭和22)年5月1日、昭和天皇が初めて本格的な記者会見を行なった。このとき天皇は、前年から続けていた全国巡幸について「ことに戦災者や引揚者、遺族は戦争の犠牲者で、一番気の毒に思っているので、できるだけ激励したい」と語ったほか、生物学研究やスポーツなどの質問にも答えている。ときに「私はスケートを除いて、たいていの運動はやってみたが、手広くやりすぎた。どれもあまりモノにならなかった(笑い)」(高橋紘『陛下、お尋ね申し上げます』文春文庫)とユーモアを交える一幕もあった。

昭和天皇の全国巡幸。鳥取県旭村立収容授産場で和紙作りをご覧になる昭和天皇=1947(昭和22)年11月28日 ©共同通信社